次は20日の日経平均終値19560.22円のテクニカルポジションの分析だが、5日移動平均19452円は108円下で、25日移動平均の18791円との乖離率は+4.09%で+5%には達していない。騰落レシオは129.87で16日や18日の130オーバーから見れば「買われすぎやや緩和」。ボリンジャーバンドは25日線+1σの19232円と+2σの19672円の間にとどまるが、RSI(相対力指数)は70.08、ストキャスティクス(9日・Fast )は96.71でこれは「買われすぎ」。日足一目均衡表の「雲」は20日時点で17311~17468円で、今週はその下限が17397~17476円、上限が17620~17716円と少し上昇してくるが、雲自体が約2000円も下なのでそれも「次元の違う話」のように思えてくる。
では、願いがかなった「2万円タッチ」とは、テクニカル的にはどんなポジションなのか。2万円の25日移動平均乖離率は+6.4%で、さすがに買われすぎの+5%をオーバー。ボリンジャーバンドは25日線+2σの19672円を超えるが+3σの20113円よりは下。「条件が揃って1日だけタッチするなら、ありえない水準ではない」というところか?
過去の経験則から言っても、日経平均の「心理的節目」は下落局面でも上昇局面でも、「数円下で惜しくも折り返した」「数円上でかろうじて反発した」ことがあまりない。たとえ数日でも「○○円を突破した」「○○円を割り込んだ」という〃達成〃を味わっていることが多い。たとえば上値では、2012年3月、2011年7月は「1万円」の心理的節目を少し超えたところで折り返している。「あと、もう一歩だったのに惜しい」ということがあまりない。10円刻みの先物ではもっと顕著で、日中取引終値の下2ケタが「00」の日は3月だけで3回もあった。それはおそらく、心理的節目のキリのいい価格は指値の買い注文も売り注文も大きく膨らむからだと思われる。個別株でもキリのいい株価は買い板も売り板も厚くなる傾向がある。だから何かの拍子にタッチしてもおかしくない。願文がかなって「2万円」が今週の上値とみる。
一方、下値のほうはどうか? 27日の配当権利落ち分は111円とみられている(ブルームバーグの試算)。20日終値から引けば19449円、2万円から引けば19889円。前週は17日以降は19400円付近が下値のサポートラインになっていたが、19400円から111円を引けば19289円になる。25日線+1σは19232円、メジャーSQの13日のSQ値は19225円だったから、そのあたりを下値のメドとみなすことができそうだ。13日のSQ値は「まぼろし」にならなかったが、下値サポートの役割は果たしてくれるだろう。
ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは19225~20000円とみる。日経平均は6週連続上昇の「快進撃」をみせたが、ただ大勢に流されているだけでは大きな勝利は望めない。チャンスの女神は長い前髪をしっかりつかまないと、後頭部はスキンヘッドというアヴァンギャルドなヘアスタイルでキメている。20世紀最大の警句家、ジョージ・バーナード・ショーいわく。「成功の秘訣は多数に逆らうこと」「何かおかしい時は、真実が隠れていないか気をつけよ」(編集担当:寺尾淳)