日足一目均衡表の「雲」は18638~19379円の位置にあり、今週は75日線を内包しながら上限は28日、19610円まで上昇する。下限は18745円まで上がる。大型連休明けに「雲タッチ」をスレスレで回避したのがまるでウソのように、雲は885円も遠く、下に離れてしまった。なお、前週は一目均衡表の「日足転換線」が15日の19555円から22日の19894円まで339円も急上昇したのが目を引く。直近9営業日の高値と安値を足して2で割ったものが転換線で、その急上昇は高値更新の勢いの強さを示し、トレンドの変化に敏感に反応する。一目均衡表のデータを見ても、ステージは明らかに変わっている。
ボリンジャーバンドは20100円の25日線+1σと20366円の+2σの間にあり、19568~20100円のニュートラル・ゾーンから上に離れた。それでも25日移動平均乖離率は+2.1%で買われすぎラインの+5%は遠く、上値追いの余地はまだある。25日騰落レシオは106.37、RSI(相対力指数)は54.8でまだ「買われすぎ」ではない。しかし、さすがにオシレーター系指標の中には「買われすぎ」のシグナルが点灯したものがあり、その代表がサイコロジカルラインの83.3%だろう。直近12営業日で9勝3敗(75%)以上で「買われすぎ」なので、10勝2敗ではどうしてもそうなる。その他、94.4のRCI(順位相関指数)、90.4のストキャスティクス(9日・Fast)、78.7のボリュームレシオが「買われすぎ」を示していた。テクニカル的に見れば、要警戒というほどではないが過熱の兆候が出ている。
今週の上値は勢いに乗って景気良く、ザラ場ベースの年初来高値20320円を超え20500円オーバーを期待する人もいそうだが、「買われすぎシグナル」も考慮してボリンジャーバンドの25日線+2σの20366円に+αした20400円あたりが限界とみる。天に高く昇りすぎると「イカロスの翼」が取れてしまう。もし取れてしまっても2年前の「5.23」の後のような「需給地獄のラビリンス」に突き落とされることは、もうないだろう。そんなステージはもう卒業している。だから下値は低く見積もっても終値2万円台堅持とみる。
4月の「つくられた2万円台」は指先ひとつでもろくも崩れた「砂上の楼閣」だったが、3月期の決算発表を通過して乗せた5月の2万円台は、たとえば「FRBの6月利上げ観測急浮上」のような〃大量破壊兵器〃に攻撃されたらひとたまりもないが、悪材料の破壊力が低下したギリシャや中国程度の脅威では崩れることがない「鋼鉄の要塞」とみてもいいのではないか。なぜなら、ステージが変わっているからである。
ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは20000~20400円とみる。一進一退しながらも終値で2万円台はしっかりキープして、次の飛躍の時を待つ週になるだろう。(編集担当:寺尾淳)