【今週の振返り】連騰ストップ後は停滞気味で102円下落した週

2015年06月06日 20:37

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昭和以来の連騰はついに12でストップ。「まつりの後」の東京市場は脱力したかのような小動きが続く。日替わり物色された業種も、根拠不明確。

 4日の日経平均は3日ぶりの反発。NYダウは金融株を中心に上昇し64ドル高と反発。ISM非製造業景気指数は55.7で市場予測より悪かったがアメリカの貿易赤字は大幅に縮小し、ADP雇用レポートは20.1万人増で市場予測より良かった。さらにユーロ圏の失業率が改善し、ECB理事会後の記者会見でドラギ総裁が量的緩和政策の2016年9月までの継続を表明してユーロ圏の物価見通しを上方修正したことでマーケットに安心感がひろがった。ドル円は124円台前半で前日より円安に振れ、CME先物清算値は20580円。

 日経平均は66円高の20539円でスタートする。TOPIXもプラス。楽天<4755>の1880億円の大型増資などニュースはあり、設備投資関連銘柄中心に買われたが序盤から動きに乏しく、前場の高値は午前9時12分の20552円、安値は10時00分の20512円で、値幅はわずか40円。前引けは72円高の20545円だった。後場はほぼ前引け水準で再開した後に下落するが、前場の値幅の範囲内。午後2時まで動きが30円程度の「なぎ」の状態が続いたが、2時に異変発生。信用取引の自主規制の動きで上海市場が急落し、それに伴って日経平均もTOPIXもマイナスまで下落した。2時33分に20438円というこの日の安値をつけたが、終盤は下げ幅を圧縮してプラス浮上。結局14円高の20488円で今年初の3日続落は免れた。TOPIXもJPX日経400も3日ぶりに反発した。

 日経平均終値は14.68円高の20488.19円。TOPIX終値は+3.90の1673.89。売買高は24億株、売買代金は2兆6911億円。値上がり銘柄数は994、値下がり銘柄数は751。17業種が上昇し上位は保険、証券、ガラス・土石、銀行、金属製品、空運、建設など。16業種が下落し下位は水産・農林、電気・ガス、ゴム製品、倉庫、陸運、サービスなどだった。

 5日の日経平均は反落。NYダウは170ドルの大幅反落で約1ヵ月続いた18000ドル台から滑り落ちた。ギリシャのチプラス首相が債務返済実行を表明しても、ドイツのメルケル首相は「妥結のメドは立っていない」と発言しヨーロッパの債券市場は乱調。IMFのラガルド専務理事は「FRBは利上げを来年に延期すべき」と述べた。新規失業保険申請件数は8000人減で3週ぶりに改善したがほぼ市場予測通り。それよりも1~3月期労働生産性指数改定値の悪化を問題視された。朝方のドル円は124円台半ばでやや円安。CME先物清算値は20445円だった。

 日経平均は89円安の20398円で始まる。TOPIXもマイナス。序盤一時20300円台後半で停滞した後、20400円台に乗せて下げ幅圧縮。この日も値動きは小さく、前場は午前9時19分の高値20425円と10時16分の安値20363円の間の60円あまりの値幅で動いた。10時台は20300円台後半だったが、上海市場の堅調を受けて11時台は20400円近辺に戻り、前引けは89円安の20398円だった。

 後場はやや下げて再開してもすぐに20400円台に乗せる。1時台まで20400円をはさみおよそ30円幅で行ったり来たりの膠着状態。朝から為替の動きは小さいが、週末要因「利益確定売りの金曜日」に、アメリカの雇用統計、OPEC総会を前にした様子見ムード、日米欧の長期金利の上昇が「悪い金利上昇」と解釈される懸念など上値を抑える要素には事欠かない。2時に4月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数は+1.9ポイントの111.1、先行指数は+1.2ポイントの107.2と順調だが基調判断は「改善を示している」で据え置き。2時台になると日経平均はにわかに下げ幅を圧縮し20450円を突破し、2時34分にマイナス7円の20480円まで上昇するが、プラス転換はできず、そこまで。買われたのはなぜか鉄道株。大引けは27円安の20460円だった。

 日経平均終値は27.29円安の20460.90円、TOPIX終値は-6.83の1667.06。売買高は23億株、売買代金は2兆4544億円。値上がり銘柄数は773、値下がり銘柄数は954。プラスの業種は陸運、空運、食料品、精密機器、小売、倉庫の6業種。マイナスの業種は27業種で、下位は保険、その他金融、銀行、石油・石炭、卸売、証券、海運などだった。

 2日に連騰が12でストップした今週の星取は2勝3敗の負け越し。前週末5月29日の終値20563.15円から102.25円下落して今週の取引を終えた。マイナスの週は大型連休明けの5月7、8日以来、4週間ぶりだった。(編集担当:寺尾淳)