3日の日経平均は小幅に4日続伸。NYダウは27ドル安でNASDAQもS&P500も下落した。雇用統計は非農業部門雇用者数が+22.3万人で市場予測を下回り、4月分、5月分も下方修正。失業率は5.3%で市場予測よりも良かった。平均時給の伸びが鈍化し労働参加率が低下するなどイエレンFRB議長が気にする「雇用の質」が改善せず、今回は同日発表だった新規失業保険申請件数が1万人増加して5週ぶりの高水準だったことなどから、為替のドル円は123円台後半から一気に123円割れまでドル安急進。一方、ダウは雇用統計が「ほどほど悪い」おかげで「年内利上げは微妙」という見方が台頭してプラスで始まったが、3日が休場で3連休前の週末要因、5日のギリシャの国民投票前の様子見などで昼前にはマイナスに落ちる。終盤にかけて持ち直したがプラスには届かなかった。プエルトリコの債務問題は一部を返済してデフォルトはひとまず回避。CME先物清算値は20485円。朝方のドル円は123円近辺、ユーロ円は136円台半ば。
日経平均は45円安の20476円で始まる。TOPIXはプラスでスタートするが5分後にマイナスになる。序盤は安値を取りながら下落し、午前9時33分の89円安の20433円で底を打った。ファナック<6954>、ソフトバンク改めソフトバンクG<9984>とともに「日経平均寄与度御三家」を形成するファーストリテイリング<9983>が前日6月の国内ユニクロ既存店売上高を発表し、5月の〃猛暑〃の反動なのか-11.7%の2ケタ減。朝から日経平均の足を引っ張る「悪役」と化し、揺れ動く世界をよそに無風と思われていた国内に思わぬ伏兵「ユニクロ・ショック」が現れた。一方、「持ち合い削減目標」報道があったメガバンクなど銀行、証券の大型株が「正義の味方」になっていた。
前場はその後、20440~20470円のレンジで小動きし、おおむねプラスだったTOPIXとの間で「NTねじれ現象」が続く。ギリシャ問題の陰に隠れているが上海総合指数は6月のピークから2割近くも下落しており、相次ぐ利下げも功を奏さないため「バブル崩壊」が懸念される。だがこの日は上海がマイナスで始まっても日経平均への影響は限定的。それでも上海市場は下げ止まらず大幅安で、さすがに不安なのか日経平均はスルスルと前場安値引けになり、TOPIXもマイナス幅拡大。前引けは91円安の20431円だった。
後場は下げ幅を15円ほど圧縮して再開。中国でカラ売り規制強化というニュースが入り上海市場の下げ幅圧縮を好感したが20460円付近で動きがなくなる。TOPIXはプラスに戻れなくなった。ところが午後1時20分頃から押し目買いの異変。20480円付近までポンと上昇したのに続いて、1時45分頃から先物主導で急騰して2時前にプラス浮上。2時24分には20557円まで上昇した。ドル円は少し円安方向に進むが日経平均の上値は抑えられる。TOPIXは小幅高のままで時間が経過するが、日経平均はやはりファーストリテイリングが重しになりプラスになったりマイナスになったり。それでも終盤に週末のひと伸びで17円高の20539円のプラスで終わった。
日経平均終値は17.29円高の20539.79円、TOPIX終値は+3.85の1652.09。売買高は21億株、売買代金は2兆1575億円。値上がり銘柄数577よりも値下がり銘柄数1196のほうがずっと多い。17業種がプラスで、上位は証券、精密機器、その他金融、銀行、ゴム製品、パルプ・紙、食料品など。16業種がマイナスで、下位は鉱業、繊維、保険、石油・石炭、鉄鋼、小売、建設などだった。
今週の星取は4勝1敗。前週末6月26日の終値20706.15円から166.36円下落して今週の取引を終えた。ギリシャ・ショックに直撃されながら2万円台は最後まで死守した。(編集担当:寺尾淳)