生活の党の山本太郎共同代表は2日のNHK番組で、政府が先頭に立ってやると言った東京電力福島第一原発の廃炉に向けての作業で、水素爆発によって3号機の使用済み燃料に落下した燃料交換機(燃料取扱機)の引き上げ作業について、「現在(2日)、引き上げ作業が行われているが、プールには566本の燃料が入っている。引き上げに失敗すれば、燃料に直撃する。すごくリスクが高い」と指摘し、高リスク作業なのに、敷地から1キロ圏内の国道6号に規制がないのはなぜか、と危機管理を問題視した。
山本共同代表は「万一を考え、引き上げに関わる人以外は全員敷地外に退避した。こんなことは事故以来、初めて。収束作業で敷地外に避難させられるというのはリスクがかなり高い証拠だと思うが、敷地から1キロメートル圏内の国道6号線には一切、規制がかかっていない。不発弾を考えればわかることだが、この国の危機管理能力の無さがよくわかる」と提起した。
東京電力のHPでは「3号機燃料取り出しに向けた作業」について「2017年度内に3号機の使用済燃料プールにある燃料を取り出すために、現在、準備作業を進めております。2015年8月2日、水素爆発の影響で落下した使用済燃料プール内に存在する最も大きなガレキ(燃料取扱機)の撤去作業を予定しております。撤去作業は安全第一に進めてまいります」と『お知らせ』して、作業概要のイメージをイラストで知らせ、リスクや作業の詳細についてHP(7月15日)に公表していた。
燃料交換機は20トンある。その下部には566本の燃料があり、プールゲートに触れればプール内の水が漏えいする可能性も全くないとはいえない。これらリスクに対する対応も書類上ではできていた。ただ、万一の事態への対応として、敷地から1キロメートル圏内の国道6号に一切、規制がかかっていないという山本共同代表の指摘について、その是非と検証は必要なようだ。(編集担当:森高龍二)