上海市場は下げ幅を圧縮して午前の取引を終了し、後場は前引けから上に飛んで18500円台で再開。しかし18600円台は回復できず午後0時台はもみあい。為替のドル円が反転して円安方向に動いたため1時台は18600円付近まで回復するが、為替が一転、円高方向に進めば売り込まれて18500円割れ。上海の休み時間には為替に左右され「前門の上海の下落、後門の為替の円高」。2時に再開した上海市場は-2%に達しない小幅安でほとんど横ばいでも、日経平均は先物主導の売りが続き、どこかの映画の乳母車のように階段状になった坂道をゴロゴロ、ゴロゴロひたすら転がり続け、18400円、18300円も割り込んで安値更新が続く。これはもはや上海連動ではなく日本株の集中売り浴びせ。終盤も止まりそうで止まらず、とうとう18200円割れ。最後はTOPIX、JPX日経400ともども安値引けの724円安の18165円で終え、今年3番目の下げだった。このショックは当分、尾を引きそう。上海総合指数は1.22%安で終えた。前日、延期されていた3月期決算発表が深夜の「ドタキャン」でまた先延ばしの東芝<6502>は5.34%の大幅下落。日はまた昇るだろう、東の芝にも。
日経平均終値は724.79円安の18165.69円、TOPIX終値は-58.94の1478.11。売買高は26億株、売買代金は2兆7709億円。値上がり銘柄数は47の〃四十七士〃、値上がり率トップの〃大石内蔵助〃は日本金属<5491>。値下がり銘柄数は1837。全33業種がマイナスで、下落幅が小さいのは海運、パルプ・紙、石油・石炭、卸売、鉱業、銀行など。下落幅が大きいのは医薬品、精密機器、電気・ガス、ゴム製品、その他金融、食料品などだった。
2日の日経平均は3日続落。NYダウは469ドル安で3日続落。一時は500ドルを超える下落だった。中国製造業PMIが国家統計局のは3年ぶり、財新のは6年5ヵ月ぶりの低水準が嫌気され、東京、アジアに続いてヨーロッパ市場も総崩れで「世界同時株安」の地球周回再び。重要指標のISM製造業景況感指数は51.1で前月の52.7から1.6ポイント低下し2年3ヵ月ぶりの低水準で市場予測より悪かった。原油先物価格が下落して債券まで売られ金先物が上昇する厳しいリスクオフで、シカゴVIX指数(恐怖指数)は10.4%上昇して31.40と再び30台に乗せていた。為替レートは日本円への逃避で円高が進行しドル円は119円台前半、ユーロ円は135円近辺。CME先物清算値は17810円だった。
安倍内閣は安保関連法案の審議を優先するために、「ホワイトカラー・エグゼンプション(脱時間給)」を盛り込んだ労働基準法改正案も、カジノ法案も民法改正案も27日が会期末の通常国会での成立を断念するというニュース。リップサービスも何もないまま、日経平均は303円安の17861円で始まる。18000円割れはザラ場では8月26日以来。TOPIXも大幅安。8月の百貨店売上高はインバウンド消費が好調で大手8社トータルで5ヵ月連続の増収だったが、アメリカの新車販売台数ではトヨタ<7203>が-8.8%、ホンダ<7267>が-6.9%など日本勢の落ち込みが大きく、輸出をけん引してきた自動車株は軒並み安でスタート。もっとも、開始1分後に17857円の安値をつけた後、急伸してプラスに浮上し午前9時15分に18279円まで上昇する。いったんマイナスに引き戻されるが18000円手前で下げ止まり、反発してプラスに戻ってさらに高値を更新していく。「捨てる神あれば拾う神あり」なのか、前日まではすぐヘタれていた押し目買いが、この日はなぜか力強い。10時22分には18406円まで上昇したが、為替のドル円は120円台を回復してもTOPIXはマイナスのままなので、先物主導の色合いが濃かった。
中国は資本流出を防ぐために為替市場で人民元売り(為替予約)の規制に打って出た。日本円はその売買が全く自由であるがゆえにリスクから逃れる手段がない。「Where there is freedom there is no choice 自由あるところに選択肢はない」(クリシュナムルティ)。しかし為替管理強化の甲斐なく上海市場は4%を超える下落で始まり、日経平均も引きずられて急落するが前日終値にタッチ・アンド・ゴー。前日までと明らかに異なり値動きが軽くなっている。上海市場の下げ幅圧縮で日経平均がプラス圏を保って上昇するうちにTOPIXはプラスに復帰。18300円前後で動きが止まった後、11時台はTOPIXはマイナスになり日経平均も水準を18200円付近まで下げるが、それでもプラス圏は維持して前引けは143円高の18309円だった。