【今週の振返り】チャートが大きなVを描き155円下落した週

2015年10月03日 20:31

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サウジ、カタールの投資引き揚げ、第一中央汽船の経営破たんで2日で949円安。自律反発と要人発言で2日で791円高。激しいアップダウンも、金曜はひと休み。

 日経平均終値は334.27円高の17722.42円、TOPIX終値は+31.58の1442.74。売買高は23億株、売買代金は2兆6486億円。値上がり銘柄数は1446、値下がり銘柄数は378。上昇業種は31で、上位は不動産、その他金融、精密機器、電気機器、機械、輸送用機器など。下落は食料品、水産・農林の2業種だった。

 10月2日の日経平均は小幅に3日続伸。NYダウは12.69ドルの小幅安だったがNASDAQ、S&P500はプラス。ISM製造業景況感指数は3ヵ月連続で低下し50.2で好・不況の分かれ目50に接近。市場予測を下回って2013年5月以来の低水準に沈んだ。チャレンジャー人員削減数はヒューレット・パッカードの大量人員整理が響き43%増。しかし9月の新車販売台数は年率換算で1817万台と非常に好調で、「生産指標不振、消費指標好調」の傾向が顕著。原油安でジープやリンカーンのような燃費の悪いクルマが売れる一方で日本車も2ケタの伸びだった。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が「年内利上げが適切」「FOMCは10月か12月に決める」、リッチモンド連銀のラッカー総裁が「10月の利上げは可能」と発言し、強弱まちまちの経済指標とともにNYダウの頭を抑えた。原油先物は続落し金先物は5日続落。為替のドル円は119円台後半で前日より円高。ユーロ円は134円台前半。CME先物清算値は17630円だった。

 アトランタのTPP閣僚会合は徹夜覚悟で日程延長。取引時間前に政府のマクロ経済指標がいくつか発表される。8月の労働力調査の完全失業率は3.4%で7月の3.3%から0.1ポイント悪化。市場予測3.3%よりも悪かった。しかし有効求人倍率は1.23倍で7月の1.21倍、市場予測の1.22倍を上回った。1992年1月以来23年7ヵ月ぶりの高水準。その翌月に経済企画庁(当時)が「バブル経済の終結」を公式に認めている。8月の家計調査の二人以上世帯実質消費支出は+2.9%で3ヵ月ぶりのプラスで市場予測の+0.3%を大幅に上回ったが、この指標は変動が激しいのが特徴。日銀短観の企業物価見通しは1年後が+1.2%、3年後が+1.4%だった。

 終値が158円高を超えれば週間騰落が3週間ぶりのプラスになれる日経平均は続伸の反動もあって158円安の17564円で始まる。TOPIXも2ケタポイント安でスタート。序盤の午前9時10分に17537円の底値をつけた後は反発し、17600円を突破するが下げ幅圧縮はそこまで。9時26分の17674円で上昇が止まり、2ケタ安の17600円台前半での値動きが続く。10時台前半は次第に17650円を軸に動くようになるが、後半は下落して10時40分すぎに17600円を一時割り込む。為替のドル円が一時120円にタッチしながら乱高下した。前日は休場だった香港市場は続伸で始まり堅調なので中国が原因ではなさそう。11時15分頃までほぼ17600円台前半で動いていた日経平均だが、先物主導で突然、約100円ほどいきなり上昇してプラスに浮上し11時20分に11733円まで上昇する。前引けは3.56円高の17725円だったが、TOPIXはマイナスだった。

 後場は前引けより10円ほど高くプラス圏で再開し、TOPIXもプラスに転じる。午後0時46分に17775円の高値をつけるが17800円台には届かずわずかなプラスで推移する。中国の国慶節休暇中でインバウンド関連銘柄が高い。1時台前半まではプラスだったが、後半はマイナスに落ちて17600円台半ばに水準を下げる。2時台も17600円後半のマイナス圏だったが、終盤に上昇してプラスにタッチ。TOPIXはプラスのまま終了したが、日経平均は前日終値をはさんでもみあい、プラスで終わるかマイナスで終わるか最後までわからなかったものの、結局2.71円高の17725円で3日続伸して終えた。日経平均の騰落が1ケタだったのは8月14日の1.09円高以来、約1ヵ月半ぶりだった。

 日経平均終値は2.71円高の17725.13円、TOPIX終値は+2.18の1444.92。売買高は18億株、売買代金は2兆712億円とアメリカ雇用統計発表前の様子見で薄商い。値上がり銘柄数は928、値下がり銘柄数は851。プラスのセクターは21で、上位はゴム製品、パルプ・紙、輸送用機器、海運、空運、化学工業など。マイナスのセクターは12で、下位は水産・農林、医薬品、不動産、鉱業、情報・通信、倉庫などだった。

 今週の星取は3勝2敗。前週末9月25日終値17880.51円から155.38円下落した。2日間で949円下げた後に2日間で791円上がる大きなVの字を描き、相変わらずボラティリティが大きい今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)