【今週の振返り】546円下げて400円戻しても146円下落の週

2015年10月17日 20:33

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203円安、343円安で18000円割れし、205円高、194円高で18000円乗せ。大きな上げ下げを毎日繰り返されると、秋の夜長のような静けさが恋しくなる

 上海市場の午前の取引は小幅プラスに戻して終え、日経平均は後場、下げ幅を圧縮して17900円台半ばで再開するが、すぐに17900円近辺まで押し下げられる。ドル円も120円台に戻れない。何度も17900円を割っては戻すものの、2時前からはズルズル下落して2時11分に17831円のこの日の安値を更新した。政府は10月の月例経済報告で、国内景気の総括判断を「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」に下方修正した。下方修正は1年ぶり。上海市場は午後再開すると再びマイナスになり下げ幅を拡大していく。「中日連動」は治らない。その上海と連動して大引けにかけて少し戻したが、343円安の17891円で続落。2日で547円も下げ、25日移動平均17978円を87円下回った。TOPIXは32ポイントも下落。上海市場もさすがにこの日は-0.93%で、6営業日ぶりに下落して終えた。

 日経平均終値は343.74円安の17891.00円、TOPIX終値は-32.30の1470.83。売買高は24億株、売買代金は2兆4053億円、値上がり銘柄数は183、値下がり銘柄数は1678。値上がりセクターは水産・農林の1業種のみ。32のセクターが値下がりし、その下位は鉄鋼、ゴム製品、ガラス・土石、機械、銀行、金属製品などだった。

 15日の日経平均は3営業日ぶりに大幅反発。NYダウは157ドル安と続落し5日ぶりに17000ドル割れ。ヨーロッパ市場もNASDAQも安く、S&P500は5日ぶりの2000割れ。株安の元凶は小売業。9月の小売売上高は前月比+1.0%と弱く、8月の数値をプラスマイナスゼロに下方修正。小売大手ウォルマートはネット販売などに110億ドルを投資するために来期のEPS(1株当たり利益)は6~12%の減益という見通しを発表した。今期もドル高の影響で売上高横ばいの見込み。FRBのベージュブック(地区連銀経済報告)もドル高の悪影響を指摘したため、発表後の午後のNY市場では売りが加速した。原油先物は小幅に下落。年内利上げ観測の後退で長期金利は低下し、リスクオフで金先物は4日続伸して4ヵ月ぶりの高値。

 前日発表のインテルの7~9月期決算はパソコン向けCPUが不調で売上高1%減、最終利益6%減。それがハイテクセクターの株価を下げた。JPモルガン・チェースの7~9月期決算は6.4%の減収、純利益は22%増ながら市場予測を下回った。夏場の金融市場の混乱でトレーディングが低迷したという。バンク・オブ・アメリカの決算は訴訟費用負担が軽減され赤字から黒字に転化。ウェルズ・ファーゴの決算はまずまずで、金利収入が低迷する金融セクターの業績はそれほど悪くなかった。為替のドル円は118円台後半、ユーロ円は136円台前半でドル売りがさらに進行。CME先物清算値は17715円だった。

 海外市況も為替レートも悪材料で日経平均は86円安の17804円で始まる。TOPIXもマイナス。日経平均が午前9時5分に17758円まで下落した後、TOPIXがプラスに浮上して「NTねじれ現象」がしばらく続いたが、9時台後半にはプラスに浮上してさらに上昇し18000円にタッチする。10時台に入り、上海市場が小幅マイナスで始まるといったん凹むが、開始直後にプラスに浮上すれば日経平均もおおむね18000円台を維持して底堅く展開する。それでも前場はもう上昇をみせることなく、前引けは138円高の18029円。TOPIXは2ケタのプラスだった。

 昼休み中に上海総合指数の上昇幅が1%を超え、後場の日経平均はほぼ前引け水準で始まりながら午後0時台のうちに急騰。1時2分に18170円の高値をつける。為替は119円前後であまり動かなかったが、前日が「下げすぎ」とみた押し目買いの気配が濃厚。1時30分に経済産業省が発表した8月の鉱工業生産指数確報値は速報値の97.0から大幅に下方修正されて96.3で、前月比で1.2%低下し2013年6月以来の低水準。8月下旬に涼しかったのが災いしたという。稼働率指数は前月比で0.9%低下の96.0。第三次産業活動指数は前月比0.1%上昇の103.3で市場予測と一致した。国内経済指標はかんばしくなくても株価は安定。2時台に入ると再開した上海市場がプラス圏で上下に揺れるのに反応して水準を下げるが、18000円台は維持。終盤は若干持ち直して終値は205円高の18096円。TOPIXは1500の大台には届かなかった。東京市場は3日ぶりに反発し、上海総合指数は+2.31%の大幅高で終え、香港、ソウル、シンガポールなども含めて極東アジアの各市場が打ち揃って株安の地球周回を止めた。

 約1ヵ月ぶりに再開した新規IPOが1件。ゲームマニアの間では有名人の「マックスむらい」氏が創業し、スマホアプリの紹介サイト、スマホ、ゲーム関連商材のECサイト、実店舗販売などの事業を営むAppBank<6177>が東証マザーズに新規上場。公開価格1200円に対して10時26分、45.8%高い1750円の初値がついた。株価が公開価格の1.5倍まで上昇すれば売却できるエグジット条件がついたベンチャーキャピタルがあり、即日執行されたら急落の懸念があったが、株価は前場にその1800円にタッチしいったん下がったものの、後場は高値を更新して2000円を超え、終値はストップ高、高値引けの2150円。久しぶりの飢餓感もあり、売出し株数が多い需給懸念も吹き飛ばした。

 日経平均終値は205.90円高の18096.90円、TOPIX終値は+19.89の1490.72。売買高は21億株、売買代金は2兆1763億円。値上がり銘柄数は1609、値下がり銘柄数は223。前日とは真逆になり値上がりが32業種、値下がりが1業種。プラスのセクターの上位はゴム製品、医薬品、サービス、その他製品、情報・通信、パルプ・紙など。マイナスのセクターは海運だけだった。