2014年もそうであったが、15年もゲーム業界の話題はスマートフォン(多機能携帯電話)向けゲームが中心だったような印象がある。それでは、16年も引き続きゲーム業界の中心はスマートフォン向けゲームが占めることになるのだろうか?
コンシューマー(家庭用据え置き機)ゲームでひと際気勢を上げていたのは、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PlayStation4(PS4)」と米マイクロソフト「Xbox One」ではあり、特に「PlayStation4」は世界販売台数が13年11月の発売開始から約2年で3000万台を突破するなど、世界市場では今なお支持されていることを示した。そのほか、任天堂<7974>が「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」などの人気スマートフォン向けゲームを手がけるDeNA<2432>と、資本・業務提携しスマートフォン向けゲームに参入したことも大きな話題となった。
ただし、スマートフォン向けゲームの台頭による、コンシューマーゲームへの影響は年々大きくなりつつある。コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が15年7月に発表した「2015CESAゲーム白書」によれば、14年のコンシューマーゲームのハードの国内市場規模は1378億円、ソフトが2356億円、計3734億円と前年の4095億円よりも361億円減少している。その一方で、スマートフォン向けゲームのソフトは136億円と、前年の103億円から62億円プラスとなっている。ただし、海外市場規模については、コンシューマーゲームのハードは1兆5790億円、ソフトは1兆9536億円、計3兆5325億円と前年の2兆8222億円よりも7103億円プラスとなっており、上記の「PlayStation4」は世界販売台数でも触れたが、国内では低迷傾向にあっても、海外では市場規模が拡大していることがわかる。
また、こうした統計を確認しなくても、昨今の任天堂の業績不振などを目にすれば、コンシューマーゲームが国内では依然として厳しい状況に置かれていることがわかる。そのため、国内のゲームメーカーは任天堂の例からもわかる通り、スマートフォン向けゲームに注力している。この傾向は16年以降も強まるものと思われ、コンシューマーゲームにとっては依然として厳しい状況が続きそうだ。(編集担当:滝川幸平)