【今週の振り返り】円高がドル円110円台まで進行214円下落の週

2016年03月19日 20:17

0205_009

メジャーSQ後週はアク抜け安定どころか、15日は日銀会合結果発表後に乱高下。FOMC明けの17日は前場天国、後場地獄。18日は円高が急進して朝から大幅下落。

 上海市場は前日終値付近で小動きし小幅プラスで午前の取引を終えた。後場の日経平均は「スティグリッツ効果」が消え17000円を割り込んで再開し、TOPIXは安値を更新する。1時台は17000円台に乗せるが長続きしない。ドル円が「黒田ライン」下限の115円はおろか114円台にも乗らないようでは、上値をなかなか追えない。その黒田日銀総裁は国会で「金利は-0.5%までの引き下げがありうる」と発言して金融セクターの株価を下げた。この日が集中回答日の春闘の賃上げ回答金額も渋い。17000円前後でもみあった後、2時に再開した上海市場は小幅プラスの水準を保ち、値動きは上向き。日経平均はいったん16900円台後半に退いても終盤は17000円をはさんで上下動する。結局、大引けでは大台を取り戻せず142円安の16974円。後場の値幅はわずか62円。TOPIXはこの日の安値圏まで下げて終えていた。

 新規IPOが1件。天然油脂由来の油脂化学品、家庭用洗剤、土木工事用の薬剤などを企画・販売する化学品の専門商社、大阪市が本社の昭栄薬品<3537>がジャスダックに新規上場。公開価格1350円よりも48.2%高い2001円の初値がついた。

 日経平均終値は142.62円安の16974.45円、TOPIX終値は-11.58の1360.50。売買高は18億株、売買代金は今年初の2兆円割れの1兆9118億円とFOMC結果待ちの薄商いが極まる。値上がり銘柄数は486、値下がり銘柄数は1340。プラスは空運、水産・農林、食料品、その他金融の4業種。マイナスは29業種で、下位は銀行、鉄鋼、証券、保険、海運、電気・ガスなど。上海総合指数は0.21%高だった。

 17日の日経平均は3日続落。世界が注目したFOMCの結果は、追加利上げを見送って年間の利上げ見通しを4回から2回に減らすと示唆。年末の政策金利見通し中央値は0.5ポイント下がって0.875%。物価見通しは0.4ポイント、GDP見通しは0.2ポイント下方修正した。イエレンFRB議長の記者会見では世界経済見通しを下方修正したが、アメリカの景気見通しは「ゆるやかなペースで拡大」と上方修正し、バランスをとった。

 マーケットの反応は、投資家は安心感を持ち米国債が買われアメリカの長期金利は急低下、ドルは主要通貨に対しドル安になり、NYダウは上昇。一時100ドルを超える上昇をみせ終値は74ドル高で4営業日続伸。NASDAQ、S&P500も反発した。鉱工業生産指数は0.5%低下、原油先物価格は38ドル台に上がっていた。朝方の為替レートは、FOMCの結果発表直後は一時112円台前半までドル安円高が進行したドル円は112円台後半まで戻し、ユーロ円は126円台前半。CME先物清算値は16840円だが、推定配当権利落ち分の112.3円を加えれば16952.3円。

 前日、日本政府観光局が2月の訪日外国人客数を発表し、前年同月比36.4%増の189万1400人で2月としては過去最高。単月でも昨年7月191万8356人に次ぐ過去2番目の多さ。国別では中国が最多で38.9%増の49万8900人。「中国人が来なくなった」という噂を払拭した。2月の貿易収支は2ヵ月ぶりの黒字で黒字額は2428億円。日米の中央銀行イベントを通過してスッキリしたのか、日経平均は133円高の17107円と高く始まる。日足一目均衡表の「雲」にタッチしたのは1月6日以来。9時4分の17074円までお約束のように凹むが、17100円割れは数分間だけで9時台のうちに17200円を突破する。その後は上げ幅が200円を超える17200円台前半の安定した値動きが続き、10時21分には17253円の高値をつけた。上海市場はプラスで始まり当初は上げ幅を拡大しながら、折り返し下がっていく展開。日経平均も17200円をはさんだ小動きに変わり、前引けは235円高の17209円だった。

 上海は再びプラスに浮上して午前の取引を終え、日経平均は前引け水準で再開し、少し下がって17100円台前半で小動き。1時15分すぎには一段下がり17050円前後で小動き。為替のドル円はやや円高。ところが、1時40分すぎに17000円を割り込み、さらにマイナス圏に落ちて為替の円高を伴いながら1時59分の16814円までズルズル下落。ドル円は一時111円台。ウエスチングハウスの減損がらみの東芝<6502>に関するブルームバーグの報道はあったが、まるでFOMC後の円高局面にもかかわらず株価が上昇した「掟破り」を厳しくとがめられているようだった。その「お仕置き」も2時台はおさまり、16800円台で動きが乏しくなる。再開した上海市場はプラス圏で小動き。こっちのほうが落ち着いている。終盤は下げ幅を圧縮し、38円安の16936円で終了。終値は日足一目均衡表の「雲」の中にとどまった。前場と後場で激変したので日中値幅は438円もあった。

 新規IPOが1件。スマホ向けソーシャルゲームの企画・開発・運営を行うゲーム関連のアカツキ<3932>が東証マザーズに新規上場。公開価格1930円よりも8.0%安い1775円の初値がついた。業績は黒字で「ドラゴンボールZドッカンバトル」「サウザンドメモリーズ」「テイルズオブリンク」などの人気タイトルがあるが、大負けで今年の新規IPOで3個目の黒星。AppBank<6177>のバッドニュースの影響もあるのか? ゲーム関連銘柄がもてはやされた2年前なら初値翌日持ち越しだったかもしれない。

 日経平均終値は38.07円安の16936.38円、TOPIX終値は-1.53の1358.97。売買高は22億株、売買代金は2兆2618億円。値上がり銘柄数は872、値下がり銘柄数は915。プラスは14業種で、その上位は鉱業、建設、石油・石炭、銀行、卸売、金属製品など。マイナスは19業種で、その下位は空運、電気・ガス、その他製品、水産・農林、食料品、陸運など。上海総合指数は1.19%高だった。