【今週の振り返り】円高がドル円110円台まで進行214円下落の週

2016年03月19日 20:17

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メジャーSQ後週はアク抜け安定どころか、15日は日銀会合結果発表後に乱高下。FOMC明けの17日は前場天国、後場地獄。18日は円高が急進して朝から大幅下落。

 18日の日経平均は大幅4日続落。イングランド銀行(BOE)は政策金利も量的緩和も金融政策現状維持でヨーロッパ市場はまちまち。しかしNYダウ終値は155ドル高で5営業日続伸。昨年12月31日の終値を今年初めて上回った。新規失業保険申請件数は悪化したものの市場予測よりも良く1年を超える54週連続30万人割れ。フィラデルフィア連銀製造業景気指数は+12.4で、前月の-1.7から大幅改善のポジティブサプライズ。原油先物価格も今年初めて終値40ドル台まで上昇した。ウォール街では雇用も生産も原油価格も株価も春めいて、ソーホーやグリニッジ・ビレッジを飛び越えて五番街では聖パトリックスデーのパレード。為替レートは円が急騰しロンドン時間に1ドル110円台をつけた。2014年12月以来1年4ヵ月ぶりの円高水準。朝方の為替レートはドル円が111円台前半、ユーロ円が126円近辺。CME先物清算値は16700円だが、推定配当権利落ち分の112.3円を加えれば16812.3円。

 読売新聞が未明に「安倍首相、消費増税先送り検討」というニュースを配信。日経平均は52円安の16883円で始まる。開始後3分でTOPIXはプラスにタッチし日経平均は9時4分に16920円まで上昇するが、プラスになれないまま序盤、16900円、16800円、16700円を次々割り込み、10時43分の322円安の16613円でやっと下げ止まる。北朝鮮が弾道ミサイルを発射したが、菅官房長官が報道を否定して「読売速報効果」無残。為替のドル円は再び110円台。上海市場はプラスで始まり、徐々に上げ幅を積み増す展開。過去の問題児のほうが頼もしく見える。日経平均も弱々しいものの11時台には16700円台を回復。悲惨だった前場を217円安の16719円で終えた。「利益確定売りの金曜日」は、3連休前はやはり厳しい。

 上海は上昇幅を拡大して午前の取引を終了。日経平均は後場、ほぼ前引け水準で再開し16600円台後半であまり大きく動かない。それでも前日比200円を超えるマイナス。1時台後半から16700円をはさんだ小動きが続く。ドル円は111円台前半。2時に再開した上海市場は上昇幅2%前後で横ばい。いったん16600円台半ばまで下落するが16700円台に戻す。2月の全国百貨店売上高は既存店ベースで前年同月比0.2%増で2ヵ月ぶりのプラス。終盤は上海は上げ幅を圧縮しても、日経平均は逆に下げ幅を圧縮し16700円台前半に安定的に乗せる展開。そのまま大引けになり終値は211円安の16724円だった。

 新規IPOが6件もあり「春のIPOまつり」のクライマックス。流通小売業の統合型販促支援事業を行う富山市のアイドママーケティングコミュニケーション<9466>が東証マザーズに新規上場。公開価格1440円よりも14.5%安い1230円の初値がつき、大負け。

 外国為替証拠金取引事業を行っている大阪市のヒロセ通商<7185>がジャスダックに新規上場。公開価格830円と同じ830円の初値がついて、引き分け。

 化学薬品の移送に使われるケミカルポンプ、その専用コントローラなどの開発、製造、販売、輸出入を行うイワキポンプ<6237>(正式社名はイワキだが、同名の医薬品商社イワキ<8095>と区別するため銘柄名はポンプをつける)が東証2部に新規上場。公開価格2000円よりも2.5%高い2050円の初値がつき「辛勝」でも白星は白星。

 PXBマウスを用いた受託試験サービスを行う東広島市のフェニックスバイオ<6190>が東証マザーズに新規上場。公開価格2400円よりも2.08%安い2350円の初値がついて惜敗の黒星。しかし直後はストップ高。

 保育所の運営などを行う子育て支援関連企業、グローバルグループ<6189>が東証マザーズに新規上場。公開価格2000円よりも60.0%高い3200円の初値がつき、快勝。

 新築戸建分譲、注文住宅・戸建建築請負など不動産関連事業を行う武蔵野市のアグレ都市デザイン<3467>がジャスダックに新規上場。公開価格1730円の2.02倍の3505円の初値がつきこの日、最も成績がよかった。

 3勝2敗1引き分け。初値の翌営業日持ち越しはなしで、6件も集中するとさすがに初値の成績が悪かった。来週も3件の新規IPOがあり「春のIPOまつり」引き続き実施中。

 日経平均終値は211.57円安の16724.81円、TOPIX終値は-13.92の1345.05。売買高は22億株、売買代金は2兆4504億円。値上がり銘柄数は555、値下がり銘柄数は1283。プラスは上から鉱業、石油・石炭、パルプ・紙、建設、非鉄金属、鉄鋼の6業種。マイナスは27業種で、その下位は保険、輸送用機器、医薬品、精密機器、ゴム製品、小売など。上海総合指数は1.73%高で6日続伸。1月20日以来、約2ヵ月ぶりの高値。

 今週の星取は1勝4敗。前週末11日の終値16938.87円から214.06円下落して今週の取引を終えた。週間騰落は2月後半から3週上昇して17000円台に乗せた後、2週下落。(編集担当:寺尾淳)