NYモーターショーで富士重が新型インプレッサの市販版を世界初公開

2016年03月25日 07:21

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新型インプレッサのボディサイズは、セダンで4625×1777×1455mm、5ドアで4460×1777×1455mm。ホイールベースは共に2670mmだ。彫りの深いフロントデザインが特徴といえる

 富士重工業は、米国ニューヨークで3月23日から開催(一般公開は25日から)「2016 年ニューヨーク国際自動車ショー」において、新型「インプレッサ」の市販予定モデル、北米仕様のセダンと5ドア車を世界初公開した。

 1992年に初代を発表して今回で5代目となる新型インプレッサは、富士重工業が中期経営ビジョンにおける次世代モデルの第1弾として位置づける戦略的な新型車だ。この新型インプレッサの開発に合わせて全面刷新したプラットフォーム“SUBARU GLOBAL PLATFORM”を採用することで、ボディ&シャシーの剛性や強度を大幅に向上させることに成功した。世界トップクラスの衝突安全性能や危険回避性能、そしてドライバーの意志に忠実なハンドリングや快適な乗り心地を飛躍的に進化させた。

 富士重量産車として初めて新デザインフィロソフィー“DYNAMIC×SOLID”を全面採用すると共に、内外装細部の仕上げにこだわり、スバル次世代Cセグメントを担うモデルとして、クラスを超えた質感を獲得している。

 エクステリアデザインは“ワイド&ロー”スタンスを強調するスバル車らしいスポーティな印象。同時に、スバル車の象徴であるヘキサゴングリルからシャープなホークアイヘッドランプまでを一体感を持たせることで立体的なフロントマスクとなり、フロントからサイドを経由してリヤまで繋がり、車両全体がひとつの塊となる起点としての役割を果たす。そして、フロントフェンダーからドアパネル・リヤショルダーまでを繋ぐ抑揚豊かなキャラクターラインとリヤに向けて跳ね上がるドアパネル下部のキャラクターラインにより、ソリッドなボディ表面に躍動感を感じさせる仕上がりだ。ボディ寸法は、全長×全幅×全高がセダンで4625×1777×1455mm、5ドアで4460×1777×1455mm。ホイールベースは共に2670mmだ。

 新しいボディ&プラットフォームに搭載するパワーユニットは、型式名こそFB20型と変わらないが、従来製品の80%以上のパーツを刷新・軽量化した新開発2リッター水平対向直噴エンジンだ。大きく向上した最高出力は米国表記で152hpである。組み合わせるトランスミッションは、改良型リニアトロニックとした。レシオカバレッジの拡大と軽量化により、加速性能と燃費性能の向上を両立したのが大きな特徴。全車にオートステップ変速を採用するとともに、マニュアルモードについては7速化し、ドライバーの意志に気持ちの良く応える加速感を実現したという。

 米国第三者機関からも高い評価を受け続けているスバル車の安全性能を更に引き上げるべく、新プラットフォーム・先進予防安全機能の採用を核とした大幅な安全性能進化を実現した。徹底した低重心化追求により、重心高を従来比5 ㎜ダウン。大幅な剛性向上や足回りの進化と合わせることで、高性能なスポーツモデルに匹敵する危険回避性能を実現。また、これまでよりも効率的に衝突時のエネルギー吸収を可能とするフレーム構造の採用や、ホットプレス材などの高張力鋼板採用拡大で車体キャビン強度が向上、衝突時の吸収エネルギーを従来型比で1.4 倍に向上させた。

 従来から高い評価を受けている、スバル独自の運転支援システム「アイサイト」は、プリクラッシュブレーキ、全車速追従機能付クルーズコントロール、車線逸脱抑制といった信頼感の高い予防安全と運転負荷軽減機能を提供する。

 新機軸はアイサイトのステレオカメラを活用し、車両前方の状況に応じてヘッドランプのハイビームとロービームを自動的に切り替える「ハイビームアシスト」を採用したこと。また、ステアリング操作に合わせてヘッドランプ光軸を左右に動かし、コーナーや交差点で車両進行方向を照射する「ステアリング連動ヘッドランプ」も採用した。これによって、夜間走行時の視認性を大幅に向上させながら、アイサイトの認識性能も高め衝突回避能力を上げている。

 加えて、後退時自動ブレーキシステムをインプレッサとして初採用。車両後退時、リヤバンパー内部に装着したセンサーが障害物を検知し、衝突の可能性がある場合、ドライバーに注意を促す。ブレーキ操作などドライバーによる回避操作がない場合、自動的にブレーキをかけ、衝突回避・被害軽減を図る。これら浸透際したシステムで、インプレッサに全方位の予防安全性能向上を図っている。(編集担当:吉田恒)