【今週の振返り】「閑散に売りなし」なのか98円上昇した週

2016年05月28日 20:17

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売買代金2兆円超えの日は1日もなく、売買高も売買代金も今年最少を更新。「閑散に売りなし」とは言うけれど、サミットの週に、みんなどこに行った?

 25日の日経平均は大幅反発。ヨーロッパ市場は為替のユーロ安を背景に揃って上昇。4月の新築住宅販売件数は+16.6%という1992年1月以来24年ぶりの高い伸び率で、件数も2008年以来8年ぶりの高水準。在庫も減少した。高級住宅の販売が好調で増収増益決算を発表したトール・ブラザーズの株価は9%上昇。原油先物価格も上昇して48ドル台を維持しNYダウ終値は213ドル高でNASDAQ、S&P500とともに大幅反発。フランスの検察当局が脱税の疑いでグーグルのパリ支店を家宅捜索。フランスで稼いでも法人税をアイルランドに納めていたという話で、EU内部の長年の火種、法人税率の不公平の問題が再燃するかもしれない。朝方の為替レートはドル円が110円前半、ユーロ円が122円台後半で、円安が進行。CME先物清算値は16765円。

 日経平均は265円高の16764円で始まる。TOPIXも大幅高。全面高で9時3分に16792円まで上昇するが、16800円にタッチできないまま前場はおおむね16700円台後半の値動き。9時23分の16731円が安値で、25日移動平均線の16732円のほぼ線上。為替のドル円も110円台前半で安定。前日、ソニー<6758>が熊本地震の発生で遅れていた2017年3月期の業績見通しを発表。画像センサーを製造する熊本県の半導体工場が被災した影響を1150億円と見積もり減収を予想するが、それでも営業利益は過去6番目の高水準で2年連続の最終黒字を見込む。ソニーの株価は大幅高で始まった。人民元安で上海市場はプラスで始まり、プラスを維持する。日経平均はこの日も「薄商い、小動き」が続き、翌日からのサミット待ちというより「サミット後に出てくる政策、具体的には消費増税先送り決定」待ち。それでも上海が上昇しはじめると16800円にタッチし、10時56分に16806円まで上がる。11時台も16800円近辺に張りつき、前引けは296円高の16795円。

 上海は上げ幅を圧縮してもプラスのまま午前中の取引を終える。為替のドル円が110円を守れず割り込むが、後場の日経平均は16700円台後半で始まり静かに推移。安定しても16800円にはタッチできない。ドル円は110円をはさんでもみあう展開。上海市場はプラス圏で再開するが上げ幅を圧縮してマイナスに落ちるが、日経平均は影響されず16700円台後半の横ばいが続く。終盤にやや下がったが終値は258円高の16757円。日中値幅は75円しかなかった。不安払拭でソニーは年初来高値を更新した。

日経平均終値は258.59円高の16757.35円、TOPIX終値は+16.38の1342.88。売買高は16億株、売買代金は1兆7826億円で5日連続で2兆円割れ。値上がり銘柄数は1333、値下がり銘柄数は474。プラスは31業種で、その上位は保険、鉄鋼、情報・通信、パルプ・紙、輸送用機器、証券など。マイナスは医薬品、その他金融の2業種。上海総合指数は終盤0.23%安で小幅続落した。

 26日の日経平均は小幅続伸。ECBがギリシャの国内銀行への融資再開をほのめかしヨーロッパ市場は大幅続伸。ノキア買収が裏目に出てマイクロソフトが1800人の人員削減計画。ティファニーの決算は減収減益。5月のサービス業PMI速報値は市場予測に反して悪化。FHFA住宅価格指数は市場予測を上回る伸びだったが、NYダウを押し上げた要因は原油先物価格。週間在庫統計が引き締まり一時50ドルに迫り終値は7ヵ月半ぶりの49ドル台。NYダウは145ドル高で大幅続伸した。朝方の為替レートはドル円が110円台前半、ユーロ円が122円台後半。政策金利を据え置いたカナダドルが買われた。CME先物清算値は16930円。

 トルドー・安倍の日加首脳会談に続き、オバマ・安倍の日米首脳会談、キャメロン・安倍の日英首脳会談が行われた。オバマ大統領は広島で被爆者と面会することになったが、それでも君はヒロシマで何も見なかった? 取引時間前発表の4月の企業向けサービス価格指数は-0.2%で、3月の+0.2%から悪化。停滞感は否めない。

 日経平均は170円高の16927円で始まり、5月SQ値の16845円を上回り、しぶとかった「まぼろしのSQ値」を消す。しかし9時7分の16957円をピークに急落。東京外為市場でドル円レートが110円を割り込んで109円台半ばまで円高が急進し、サミット奉祝ムードを吹き飛ばす。9時台に一時16850円を割り込むが、10時台は16800円台後半の水準を維持し、日本全国厳戒態勢の中でG7伊勢志摩サミットが始まった。上海市場はプラスで始まる。しかしドル円は109円台前半まで円高が進行し、上海もマイナスに変わると11時台の日経平均は安値を更新し続け、11時23分に16801円の安値をつける。前引けは48円高の16805円だった。

 上海はマイナスのままで午前の取引を終了し、後場の日経平均は前引けよりやや高い16800円前半の水準で再開する。下落しても16800円を割り込まず、安定した値動き。上海市場も値動きに乏しく、マイナスで再開。為替のドル円が徐々に円安方向に戻し、110円に接近すると日経平均も2時すぎに16850円を超えるが、一時的。2時台はドル円が110円にタッチできないまま16800円台前半の値動きが続く。マーケットも「サミット休戦」のような様相を呈す、かと思いきや、終盤に波乱が待っていた。為替はそれほど円高に振れなかったが、先物の仕掛け売りが入り日経平均はマイナスまで落ち、2時52分に16743円まで下げる。それでも大引けではプラスに戻って15円高の16772円で終えた。TOPIXはわずかなマイナスで反落した。

 日経平均終値は15.11円高の16772.46円、TOPIX終値は-0.01の1342.87。売買高は17億株、売買代金は1兆8343億円。値上がり銘柄数は930、値下がり銘柄数は844。プラスは17業種で、その上位は鉱業、医薬品、輸送用機器、陸運、水産・農林、石油・石炭など。マイナスは16業種で、その下位は海運、証券、情報・通信、鉄鋼、パルプ・紙、非鉄金属など。上海総合指数は終盤プラスに転じて0.26%高だった。