【今週の振り返り】世界をゆるがした英国の国民投票の悲劇的結末

2016年06月25日 20:14

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映画「ブレクジット」のクライマックス。ヒロインの衝撃的な死でストーリー急展開。最後までハラハラ、ドキドキさせた結末は、悲劇的結末「カタストロフィ」だった

 日経平均終値は203.81円高の16169.11円、TOPIX終値は+14.71の1293.90。売買高は17億株、売買代金は1兆7796億円で薄商いが続く。値上がり銘柄数は1395、値下がり銘柄数は443。プラスは30業種で、その上位は医薬品、食料品、不動産、情報・通信、電気機器、繊維など。マイナスは非鉄金属、鉱業、鉄鋼の3業種。上海総合指数は終盤にマイナスに落ちて0.35%安だった。

 22日の日経平均は4営業日ぶりの反落。英国の国民投票は離脱派が巻き返す世論調査の結果も出て、紋切り型な表現だが「予断を許さない」状況。そのためリスクの度合いを示すシカゴVIX指数(恐怖指数)の下げペースは弱い。ECBのドラギ総裁が「(離脱派勝利なら)行動する用意がある」と発言しヨーロッパの株式市場は揃って3営業日続伸。注目のイエレンFRB議長の連邦議会上院での議会証言は利上げ時期には言及せず、中国経済への不安、英国の国民投票の結果のリスクに言及し、国内では生産や雇用の指標の弱さを挙げて全般的に慎重さを強調するハト派的な内容。為替がドル高円安で反応しドル円は一時105円台になったが、すぐ元に戻った。レナーの決算は好調で住宅需要は悪くない。原油先物価格は下落し終値48ドル台。NYダウは小幅高で上下に振れる不安定な動きで一時マイナスにもなったが、終値は24ドル高で続伸し、NASDAQ、S&P500もプラスだった。朝方の為替レートはドル円が104円台後半、ユーロ円が117円台後半でやや円安。CME先物清算値は16115円。

 資産売却が続いていたソフトバンクG<9984>はこの日の株主総会直前にニケシュ・アローラ副社長の取締役退任を発表する異変。株主に送られた総会決議事項では取締役に名を連ねていたので「クーデターか?」など憶測が乱れ飛ぶ。参議院議員通常選挙公示日の日経平均は73円安の16095円で始まる。TOPIXもマイナス。投開票日は7月10日。選挙権は18歳から。9時発表の4月の毎月勤労統計確報値は、実質賃金は+0.4%、1人あたり平均現金給与総額(名目賃金)は横ばい、所定内給与も横ばい、特別給与は-1.7%で、みな速報値から下方修正された。9時5分に16123円まで上昇するがプラスには浮上できず。北朝鮮が早朝にミサイルを1発発射し、失敗すると2発目、3発目を連発。「成功するまでやれ」か? おかげで東京市場は地政学的リスク浮上でズルズル下がっていくばかり。それでもかろうじて16000円台を保つ。これが心理的節目というもの。10時台には一時16050円を上回るが長続きせず、再び16000円を割りそうになる。上海市場はプラスとマイナスの間で乱高下。11時21分についに割り込んで15980円の安値をつける。前引けは166円安の16002円で、なんとか大台に乗せていた。

 上海はマイナスにタッチしながら高値を取って午前の取引をプラスで終える。後場の日経平均は前引けより50円ほど高く再開し、1時台には為替の円安進行に伴って1時35分に16160円まで上昇する。プラス浮上まであと9円足らず。しかし2時台には再び下げ16100円を割り込みプラス圏から遠ざかり16050円付近まで下げる。ドル円も円高方向に折り返し。再開した上海市場は上げ幅を圧縮するがプラス圏を堅持。終盤の日経平均は16100円にタッチするものの終値は103円安の16065円。16000円をサポートラインに上昇一服の1日だった。

 新規IPOが1件。ジェイリース<7187>が東証マザーズに新規上場。賃貸住宅の家賃債務保証事業を行う。公開価格3100円より34.5%高い4170円の初値がついた。前日に初値がつかなかったストライク<6196>に初値がつき、公開価格3440円の2.2倍の7770円。同じくAWSHD<3937>の初値は公開価格2490円の3.3倍の8350円。これで6月の新規IPOは初値7連勝になった。

 日経平均終値は103.39円安の16065.72円、TOPIX終値は-9.29の1284.61。売買高は16億株、売買代金は1兆7038億円。値上がり銘柄数は411、値下がり銘柄数は1433。プラスは情報・通信、鉱業の2業種。マイナスは31業種で、その下位は電気・ガス、鉄鋼、海運、不動産、非鉄金属、水産・農林など。上海総合指数は終盤に上げ幅を拡大し0.93%高だった。

 23日の日経平均は大幅反発。英国のブックメーカーの賭け率から算出した残留確率は80%前後で高止まりしているが、いまだに離脱派優勢の世論調査の結果が出てくるためシカゴVIX指数(恐怖指数)は再び20超え。それでもアメリカの長期金利は低下、金先物価格は4日続落。ヨーロッパの株式市場も英独仏は4日続伸した。イエレンFRB議長が下院で議会証言を行い、5月の雇用統計の悪化は「一時的」と述べた。NYダウは中古住宅販売が+1.8%で市場予測を上回り9年3ヵ月ぶりの高水準だったので午前中はプラスだったが、原油先物価格は弱含みで、やはり英国の国民投票を翌日に控えての様子見気分がひろがってマイナスに変わる。終値は48ドル安で3営業日ぶりの反落。NASDAQもS&P500も小幅マイナスだった。IMFがアメリカの2016年の経済成長率見通しを2.4%から2.2%に下方修正。利上げには「ゆるやかにすべし」と注文をつけた。日本時間の朝方に円安が進行し、ドル円は104円台後半、ユーロ円は118円台後半。CME先物清算値は15930円だった。