【今週の振り返り】秋になっても夏バテが続き40円上昇した週

2016年09月10日 16:30

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17000円をはさんで上下に小動きしただけ。週間値幅はザラ場は320円、終値は123円。売買高が20億株を超えた日は1日もなし。兜町の夏バテは、秋になっても治らない。

 日経平均終値は53.67円安の16958.77円、TOPIX終値は-3.58の1345.95。売買高は16億株、売買代金は2兆1925億円。秋になっても相変わらずの薄商い。値上がり銘柄数は860、値下がり銘柄数は923。プラスは11業種で、その上位は任天堂率いるその他製品、海運、精密機器、証券、ゴム製品、輸送用機器など。小売1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは21業種で、その下位は保険、鉄鋼、サービス、電気・ガス、パルプ・紙、水産・農林など。上海総合指数は0.13%高。

 9日の日経平均は小幅反発。TOPIXは3日続落。金融政策現状維持を決めたECB理事会がマーケットに失望を呼び、アップルの発表会も原油先物価格の上昇も材料としては弱くNYダウは46ドル安。ドル高・ユーロ高・円安が進行し、朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が115円台前半。CME先物清算値は16990円、大阪夜間取引終値は16880円と開きがあった。

 日経平均始値は35円高の16994円。高値は9時6分の17029円。安値は10時11分の16902円。終値は6円高の16965円。「メジャーSQ清算値算出日」はプラスで始まり、開始直後に17000円を超える。4分後に出たSQ値は17011.77円で17000円を超え、その時点ですでに「まぼろし」ではなかった。序盤はSQ値算出後に17029円まで上昇したが、17000円台はわずか10分あまりでもろくも陥落。このところミサイルを花火のように打ち上げまくる北朝鮮が、今度は核実験を行ったという報道で「地政学的リスク」が勃発した。16900円割れ寸前で下げ止まり、その後は16900円台前半での小動き。中国のCPIは+1.3%、PPIは-0.8%。チャイナ・ショックの1年前と違って落ち着いてきた。ドル円は徐々に円高に振れても102円台を維持し、日経平均の前引けは32円安の16926円。日銀のETF買いには微妙な水準で、前日は41円安で実施されなかったが……。

 昼休みに「安倍首相と黒田日銀総裁が午後会談」というニュースが流れた。それを受けて後場はプラスでスタート。安倍・黒田会談では材料になりそうな目新しい話は出なかったが、日経平均は17000円にもタッチしながら小幅高水準で推移。TOPIXは前日終値をはさんでプラスとマイナスの間をしきりに往復する。「政府と東京都が保育所の設置規制緩和」という報道で子育て関連銘柄がにぎわう。2時台は小幅高でも17000円には届かない水準での小動き。「利益確定売りの金曜日」なので終盤の大引け間際に売られて下落したが、かろうじてプラスで終えた。TOPIXはマイナス。この日は日銀のETF買いが733億円入り、それが安定した値動きを演出して終値がプラスになったようだ。

 日経平均終値は6.99円高の16965.76円、TOPIX終値は-2.09の1343.86。売買高は17億株、売買代金は2兆1662億円で、かつては4兆円を超えた時もあったメジャーSQの日とは思えないレベル。値上がり銘柄数は739、値下がり銘柄数は1082。プラスは20業種で、その上位は海運、鉱業、空運、証券、非鉄金属、鉄鋼など。マイナスは13業種で、その下位は食料品、水産・農林、情報・通信、建設、その他製品、電気・ガスなど内需ディフェンシブ系。上海総合指数は0.55%安。

 今週の星取は3勝2敗。前週末2 日の終値16925.68円から40.08円上昇して今週の取引を終えた。17000円をはさんで小動きした週で、ザラ場の週間値幅は320円だが終値の週間値幅は123円と小さい。売買高が20億株の大台を超えた日が1日もなかった。東京市場の売買の夏枯れというか夏バテは、秋になってもなお続いていた。(編集担当:寺尾淳)