【今週の振り返り】ドル円104円まで円安進行で410円上昇した週

2016年10月08日 20:38

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3年連続で日本人がノーベル賞を受賞!いつかノーベル賞でももらうつもりでガンバッてる人には励みになる。だが東京市場の薄商いは毎日、吹雪、吹雪、氷の世界。

 日経平均始値は15円安の16883円。高値は9時15分の16895円。安値は1時51分の16820円。終値は39円安の16860円。取引時間前に発表された9月上・中旬の貿易統計速報は、貿易収支は2964億円の黒字で2ヵ月ぶりの黒字。8月の毎月勤労統計速報値の実質賃金は+0.5%で7ヵ月連続プラスで、現金給与総額は-0.1%。所定内給与は+0.5%。厚生労働省の賃金動向への見方は「基調としては緩やかに増加している」だった。

 今週は4連騰で、しかも下げがきつくなる三連休前の「利益確定売りの金曜日」。アメリカ雇用統計待ちムードもある中で小幅反落スタート。9時台は16800円台後半で乱高下するがプラスにタッチできない。TOPIXもプラスにタッチするだけ。為替が円高方向に振れる中で小幅安が続き、三連休前に為替も株価も利益確定し手じまいムード。10時台になると値動きが落ち着いて16860~16880円のレンジで行ったり来たり。TOPIXともども日銀のETF買い発動が望めるマイナス幅。11時台に入ると水準をやや下げて16850~16870円のレンジ。前引けは16869円。30円安で5営業日ぶりの日銀のETF買い発動の可能性が出てきた。

 昼休みに為替が円高方向から円安方向に切り替わり、後場はETF買いが入る思惑もありながらいきなりドンと売られて安値更新。これが3連休前の金曜日。前日に中間期決算、中期経営計画、H2Oリテイリング<8242>との資本業務提携を同時発表したセブン&アイHD<3382>は一段安。関西のものは関西に返せ、なのか百貨店3店舗を譲り受けるH2Oのほうは上昇。16830円を割り込んだところで反転し0時台のうちに半値戻し。1時台は50円安、16850円前後の小動きがしばらく続いた後、為替と無関係に売られ急落第2弾。それも2時すぎまでにほぼ元通りになり、下落しても反発力はある。2時に8月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数は前月比-0.1ポイント、先行指数は+1.2ポイント。内閣府は景気の基調判断を「足踏みを示している」に据え置いた。2時台は16840~16860円のレンジで動いて終盤にかけて値動きが大きくなり、最後はひと伸びして16860円で終えたがプラスになれなかった。日中値幅は75円と小さい。この日は日銀の733億円のETF買いは入らず、結局、今週は一度も発動されず、大砲にフタがされていた。

 新規IPOが1件。大阪市が本社で、生命保険など金融機関を主な対象にシステム開発、保守・運用、コンサルティングなどを行うキャピタル・アセット・プランニング<3965>がジャスダックに新規上場。しかし大引けまでに初値がつかず、公開価格2000円の2.3倍の4600円の買い気配で終了した。「FT(金融工学)とITの双方を知るプロ集団」といい、今で言う「フィンテック」の先駆けのような存在なので人気化したらしい。

 日経平均終値は39.01円安の16860.09円、TOPIX終値は-3.32の1350.61。売買高は15億株、売買代金は1兆6559億円。値上がり銘柄数は732、値下がり銘柄数は1088。プラスは13業種で、その上位は海運、ゴム製品、鉱業、保険、石油・石炭、精密機器など。食料品1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは19業種で、その下位は小売、不動産、情報・通信、建設、サービス、証券など。上海市場は今週は国慶節休暇でずっと休場。

 今週の星取は4勝1敗。前週末9月30日の終値16449.84円から410.25円上昇して今週の取引を終えた。為替のドル円は前週末の101円台から7日朝の104円台まで3円も円安進行し、日経平均はそれに促されて上昇しながらも17000円の大台には届かずじまい。東京市場の売買は日本人のノーベル賞受賞者が出ようと「20億株、2兆円」の大台に一度も乗せることができなかった。東京では気温が30度を超える日があったが、マーケットでは一足早く冬が来て、まるで「氷の世界」のような寒々しい薄商いが続いた。(編集担当:寺尾淳)