後場は80円安で安値を更新し再開。円高に振れた為替レートがなかなか戻らない。17300円を割って安値を更新した後、マイナス圏の17300~17320円のレンジの小動きが1時台まで続く。9月の自動車各社の生産実績は、トヨタ<7203>は前年同月比で国内増、海外減。日産<7201>、ホンダ<7267>は国内も海外も増加。2時を回るといったん17300円を割り込み安値を更新するが、為替のドル円が104円台半ばまで円安進行すると終盤にかけて17350円付近まで上昇する。しかしプラス圏まで戻ることはできずに4日ぶりに反落して終えた。日銀のETF買い707億円は結局、入らなかった。
前日に好決算を発表したLINE<3938>は逆に6.26%安。決算は悪くても「ポケモンGO」で営業外収益120億円を計上した任天堂<7974>はザラ場でプラスに転じ1.49%高。関西スーパー<9919>の株式の10%取得を発表したH2Oリテイリング<8242>は2.32%高。関西スーパーは尻すぼみだったが0.50%高。業績が良い食品スーパーは小売業のM&Aがらみで要注意の業態。
新規IPOが1件。インターネット広告サービス事業を手がけるアイモバイル<6535>が東証マザーズに新規上場。公開価格1320円より6.8%安い1230円の初値がつき黒星。終値も1214円。JR九州の直後でもあり、資金吸収金額が73億円と大きいのが直接の原因と思われるが、最近の新規IPOは広告やコンサルタントなど「形のないもので稼ぐビジネス」への投資家の見方が厳しい。これで10月の新規IPOは全て終了。JR九州という大物があったが6件で3勝3敗だった。
日経平均終値は55.42円安の17336.42円、TOPIX終値は-0.69の1382.01。売買高は17億株、売買代金は1兆9449億円。値上がり銘柄数は909、値下がり銘柄数は927でほぼ拮抗。プラスは14業種で、その上位はその他金融、証券、不動産、石油・石炭、陸運、鉱業など。マイナスは19業種で、その下位は海運、空運、精密機器、化学工業、医薬品、電気・ガスなど。上海総合指数は0.12%安だった。
28日の日経平均は大幅反発。問題のドイツ銀行の決算は安心感を与える内容で、英国GDPが市場予測を上回ったこともありヨーロッパ市場はフランス以外は反発。欧米で長期金利が上昇したためNYダウ終値は29ドル安。NASDAQもS&P500もマイナスだった。原油先物価格は4日ぶりに反発しても終値で50ドル台に届かず。耐久財受注額は3ヵ月ぶりのマイナスでも8月分は上方修正。仮契約住宅販売指数、週間失業保険申請件数は順調だった。アメリカ長期金利の上昇を受けて朝方の為替レートはドル円が7月以来の105円台前半、ユーロ円が114円台後半まで円安進行。CME先物清算値は17450円。大阪夜間取引終値は17460円。
月曜日ではないがクアルコムがオランダのNXPを買収するという半導体業界の大型M&A話が飛び出す。企業決算は、北米販売が悪かったフォードは純利益56%減、身売り話に揺れるツィッターは最終赤字が1億ドル以上で9%の人員削減を発表したが、ダウ・ケミカル、UPSは良く石油のコノコ・フィリップスは赤字縮小。取引終了後に発表したグーグルの親会社アルファベットは20%増収、27%増益。アマゾンは売上高29%増、純利益3.2倍と快調な決算だった。
日経平均始値は111円高の17448円。高値は2時54分の17461円。安値は10時27分の17406円。終値は109円高の17446円。月末の金曜日なので取引開始前に政府発表の経済指標がまとめて発表された。9月の有効求人倍率は1.38倍。8月比で0.01ポイント改善し市場予測の1.37倍より良かった。新規求人倍率は2.09倍で6ヵ月連続で全都道府県で1倍超えだが、正社員は0.88倍で相変わらず1倍割れ。「爆買い」が終焉しても訪日外国人数は衰え知らずで宿泊業や飲食業の求人が高水準だった。9月の完全失業率は3.0%で0.1ポイント改善。市場予測の3.1%より良い。消費者物価指数(CPI)は、9月全国は-0.5%。7ヵ月連続のマイナスでも市場予測通りで、10月東京都区部は-0.4%。9月の家計調査の二人以上世帯の実質消費支出は-2.1%で7ヵ月連続のマイナスだが、市場予測の-2.7%よりは良かった。
為替の円安に加え経済指標に市場予測より悪いものがなく、日経平均は3ケタ上昇で開始。しかし17500円タッチとはいかず、序盤は17460円付近で頭を抑えられる。10時すぎまで17440円付近で小動きするが、円安進行が一服すると水準を下げ、一時は17400円も割り込みそうになる。10月のここまでの星取が13勝5敗で、月間騰落が1000円高を超えてはさすがに過熱感あり。それでも前場はその後、17420~17440円のレンジで安定した小動きが続き、前引けは90円高。これなら劣勢挽回の切り札、日銀買いの出番はない。後場はほぼ前引け水準で再開し17400円台前半で小動き。それでもわずかずつ上昇して2時台には17450円を超える。利益確定売りの金曜日でもあり、終盤は小幅に乱高下しながら高値更新。TOPIX型インデックスファンドの組入比率が変更される話があったが、大引け直前は期待を裏切って下落。それでも4月25日以来約6ヵ月ぶりの終値17400円台。日中値幅はわずか55円だった。