イタリアのレンツィ首相は辞任したが、イベントは、通過すること自体が好材料。「もう済んだこと」にして引きずらず、日経平均は9日に19000円にタッチ。
後場は安値を更新し18300円台前半の水準で再開するが、すぐに18300円台後半に上がる。長期金利が上昇し一時0.050％。11月15日にマイナスを脱して以来、プラスが3週間続いている。1時台は18300円台半ばの水準を維持し、「メジャーSQ週の火曜日」ながら先物主導の仕掛け売りの気配もなし。ドル円も113円台後半でやや円安方向に振れて安定していた。それは2時台も続き、終盤も少し上に振れた程度で大引けになった。
日経平均終値は85.55円高の18360.54円、TOPIX終値は+10.24の1477.20。売買高は23億株、売買代金は2兆6935億円。値上がり銘柄数は1241、値下がり銘柄数は631。プラスは25業種で、その上位は海運、鉄鋼、非鉄金属、証券、電気・ガス、ガラス・土石など。マイナスは8業種で、その下位は食料品、陸運、パルプ・紙、医薬品、サービス、鉱業など。上海総合指数は0.15％安だった。
7日の日経平均は大幅続伸。渦中のイタリアでは問題の銀行モンテ・パスキに公的支援が入る報道があり、金融セクターを中心にヨーロッパ株は全面高。原油先物が一時50ドル割れしNYダウは午前中マイナスの時間帯もあったが、午後に原油先物が50ドル台を回復するとプラスに転じて終了。終値は35ドル高で続伸、史上最高値更新。NASDAQもS&P500もプラスで3日続伸した。アメリカの経済指標はまちまち。貿易収支は貿易赤字が17.8％拡大。7～9月期の非農業部門の労働生産性指数改定値は年率換算+3.1％の大幅な伸びで4四半期ぶりにプラスに転じたが、市場予測には届かない。製造業受注は+2.7％で市場予測を上回った。朝方の為替レートはドル円が114円近辺、ユーロ円が122円台前半。大阪夜間取引終値は18470円。CME先物清算値は18450円。
日経平均始値は74円高の18434円。高値は2時59分の18502円。安値は11時10分の18410円。終値は136円高の18496円。日経平均は18400円台を回復して始まる。序盤は18400円を割り込みかけるが、すぐに持ち直し高値追い。朝方、ソフトバンクG＜9984＞の孫正義CEOがNYのトランプ・タワーを訪れ、トランプ次期大統領と会見してアメリカ企業への500億ドル（5.7兆円）の投資、5万人の雇用創出を約束した。通期の決算発表で打ち上げた「10兆円ファンド構想」の57％にあたる。ソフトバンクGの株価は序盤から上昇し年初来高値更新。この銘柄は「日経平均寄与度御三家」なので日経平均を押し上げ、高値更新が続き10時すぎには18500円まであと31銭に迫った。朝方は114円を割っていた為替のドル円も円安が進行した。しかし10時台は徐々に値を崩して11時すぎに再び安値更新。軟調になりやすい「メジャーSQ週の水曜日」だが、マイナスどころか18400円も割らず、先物主導で為替を巻き込むゲリラ急落とは様子が異なる。前引けは74円高の18400円台前半だった。
後場は前引け水準で再開し、すぐに18400円台後半に上昇する。1時台は上にも下にも動かず推移。2時に10月の景気動向指数の速報値が発表された。一致指数は前月比1.4ポイント上昇の113.9で2ヵ月連続の上昇。内閣府は自動的に景気の基調判断を「足踏みを示している」から「改善を示している」に上方修正。先行指数は1.0ポイント上昇の101.0で2ヵ月ぶりに上昇した。2時台はドル円がさらに円安に振れ、終盤には「御三家」のソフトバンクGが高値追いし、日経平均は途切れることなく上昇を続けて、ついに2時55分に18500円にタッチし高値を更新。しかし大引けでは引き戻され、終値18500円台はおあずけになった。チャートのローソク足は6営業日ぶりに白（陽線）になった。
新規IPOが1件。家賃債務保証、介護費用保証、医療費用保証など総合保証サービスを行うイントラスト＜7191＞が東証マザーズに新規上場。公開価格630円より35.5％高い854円の初値がついた。12月中に15件ある「師走の新規IPOまつり」は幸先よく白星でスタート。
日経平均終値は136.15円高の18496.69円、TOPIX終値は+13.42の1490.62。売買高は24億株、売買代金は2兆6919億円。値上がり銘柄数は1483、値下がり銘柄数は422。プラスは29業種で、その上位は電気・ガス、銀行、証券、海運、石油・石炭、輸送用機器など。マイナスは水産・農林、医薬品、ゴム製品、食料品の4業種。上海総合指数は0.70％高だった。
