リハビリ支援ロボットのレンタルを開始するトヨタ自動車

2017年04月27日 06:47

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下肢麻痺や歩行困難は高齢者にとって誰もが抱える不安。できれば介護の手を借りずに歩けることを望む人は多い。トヨタのパートナーロボットは自力で歩行できるようにサポートする機能を始め、高齢者の健康に寄与する機能を備えている。

 トヨタ自動車<7203>は下肢麻痺のリハビリテーションを支援する医療向けロボット「ウェルウォークWWWー1000」のレンタルを秋から開始すると発表した。

 「ウェルウォークWWWー1000」は歩行困難となった患者の個々の状態に合わせ、難易度の調整を行うことができることに加えて歩行状態のフィードバック機能などを備えており、運動学習理論に基づいたいろいろなリハビリテーション支援機能を充実させている。

 また患者への装着を簡単にし、機能の操作をタッチパネルで一括操作できるなどシンプルな構造と機能にデザインしたことで医療現場での使いやすさを実現した。

 トヨタ自動車は自動車生産用に導入した産業用ロボットや自動車開発技術を活用したパートナーロボットの研究を進めている。

 「人との共生」をテーマに医療、介護、生活、仕事のシーンで人のパートナーとしてサポートすることを目的としており、これまでに片足が不自由になった人の歩行をアシストするウェアラブルタイプの歩行支援ロボット、小型軽量のボディに上下伸縮と折りたたみ式アームを備え、家の中で「掴む」「拾う」「取る」「持ってくる」動作ができる生活支援ロボットなどを開発した。

 医療支援では2007年から愛知県豊明市にある藤田保険衛生大学と共同でリハビリテーション支援ロボットの開発を進め、実証試験を医療現場で行ってきた。14年からは歩行練習アシストロボットが全国23の医療機関(17年3月末時点)において臨床的研究に活用されている実績を持つ。

 これまでの臨床的研究を通じて得た患者や医療関係者の意見を参考にした結果、下肢機能回復に期待が持てることから「ウェルウォークWWWー1000」の医療機器承認を取得、医療機関向けに100台を目標にしたレンタルを行うことになった。

 世界でも類を見ない高齢化社会になっている日本は25年に総人口の30パーセント超が高齢者になると言われており、高齢者向けの市場は約101.3兆円、そのうち医療や介護などの市場は約50.2兆円と推測されている。

 高齢者への支援も含まれているトヨタのパートナーロボットは高齢者の健康寄与に対する機能性だけでなく、ビジネスモデルとしても注目を集めている。(編集担当:久保田雄城)