トランプ大統領 金正恩朝鮮労働党委員長は「残酷な独裁者」

2017年11月09日 06:11

 米・トランプ大統領は8日、訪問中の韓国の国会議事堂で演説し、北朝鮮について「核・ミサイル開発を続け、これまでの合意破った」と非難するとともに「米国を試すな」と発信した。また金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長については「残酷な独裁者」と述べた。韓国・聯合ニュースが演説内容を伝えた。

 特にトランプ大統領の演説で注目されるのは北朝鮮の人権蹂躙事例をあげた発言だった。報道によると、トランプ大統領は「多くの人が飢えで命を落としており、乳幼児の30%近くが栄養失調による発育不全に陥っていると指摘した」としている。

 また「9歳の少年が、祖父が反逆罪で告発されたとの理由で10年間収監生活を送った」「軍人が外国人を拉致し、北朝鮮のスパイの語学教師として働かせる」などの発言をしていることも伝えた。

 さらに、トランプ大統領は「北朝鮮が2012年と13年に住民の生活水準向上のために配分した金の半分以上に当たる推定2億ドル(現在のレートで約227億円)を記念碑や塔、銅像の建設に投じ、独裁者の偶像化に使ったと批判した」と伝えたほか「残酷な独裁者は住民を比較し、点数をつけ、忠誠度を評価してランク付けしているとも話した」と伝えた。

 北朝鮮の乳幼児の30%近くが栄養失調による発育不全に陥っているとのトランプ大統領の指摘は、2017年国連報告でも「北朝鮮では全人口の41%、5歳未満の児童の28%が栄養失調状態にある」と報告しており、これに沿うもの。

 また韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、今年7月のG20首脳会議でこの問題への人道支援について「北朝鮮への人道支援は政治的状況と連携してはならない」と別問題として考えなければならないことと提起していた。(編集担当:森高龍二)