飲食店で働く外国人労働者が増えている。身近にも飲食店で働く外国人労働者に接する機会が多くなったと感じている人は増えているのではないだろうか。
厚労省の求人倍率の直近データ(一般職業紹介状況)を見ると、17年11月の有効求人倍率は全職業の計で1.46倍と高い数字になっている。さらに、「飲食物調理の仕事」が3.38倍、「接客・給仕の仕事」が4.15倍と極めて高い数字を示しており、飲食店が深刻な人手不足の状態にあることがわかる。飲食店で働く外国人労働者が増えているように感じるのは、この人手不足を背景にしたものと容易に想像がつく。
飲食業コンサルタントのシンクロ・フードは、自社サイトのユーザー158名を対象に、飲食店の外国人労働者の採用状況に関するアンケート調査を実施し、結果を公表した。調査結果によれば、「外国人スタッフを採用したことがあるか」という問いに対して、「ある」が48.7%、「ない」が51.3%と約半数の飲食店で外国人労働者が採用されている。さらに、店舗数が「1店舗」の回答者のみでも、「ある」が34.3%、「ない」が65.7%となっており、レポートでは「個人経営の飲食店においても外国人スタッフの採用が進みつつある状況がうかがえる」と結論づけている。
外国人労働者を採用した理由については、複数回答で、「外国人と日本人を区別していない」が48.1%、「日本人が採用しづらいから」が44.2%と高くなっており、レポートでは「人手不足を解決するための手段として外国人スタッフの採用に踏み切る飲食店の様子が読み取れる」としている。
以下、「英語や中国語など日本語以外の語学力」を理由にあげた者が26.0%、「日本人よりも優秀・勤勉なスタッフを採用できるから」15.6%、「その国の料理を出す店だから」11.7%、「その他」15.6%の順となっている。
「今後外国人スタッフを採用する可能性があるか」という問いに対しては、「ある」が77.8%、「ない」が22.2%となっており、人手不足が深刻化する中、今後もますます外国人労働者は増加しそうだ。(編集担当:久保田雄城)