特定保健用食品、「効用を意識して選ぶ」は3割。「効果を実感」1割

2018年05月25日 06:14

画・特定保健用食品、「効用を意識して選ぶ」は3割。「効果を実感」1割。

マイボイスコムが「特定保健用食品の利用」に関する調査を実施。特定保健用食品について「どのようなものかわかる」57.0%。「効用を意識して選ぶ」は30.8%。「効用を感じた人」は11.7%にとどまる。

 特定保健用食品(トクホ)とは、健康増進法で「食生活において特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品」と定義される。当初は1991年に栄養改善法で法制化され厚生省の所管であったが、2003年健康法の施行後、現在では消費者庁の所管である。主に血圧や血中コレステロール等を正常に保つよう作用し、科学的に保健目的の効果が認められた食品である。

 リサーチ業のマイボイスコムは4月、「特定保健用食品の利用に関するインターネット調査」を実施し、1万783件の回答を得て、その調査結果を公表した。

 調査結果によると、特定保健用食品について「どのようなものかわかる」は57.0%、「名前を聞いたことはあるが、どのようなものかわからない」は40.3%で、これらをあわせた認知率は97.3%であった。

 直近1年間に購入したことのある商品を複数回答で選択させたところ、「お茶系飲料(緑茶、中国茶、ブレンド茶など)」が31.2%と最も多く、次いで「炭酸飲料」が13.6%、「清涼飲料(ジュースなど)」が11.4%と続く。特定保健用食品を意識して購入しているかどうかについては、「効用を意識して選ぶ」は30.8%、「選んだ商品がたまたまトクホだった」が42.9%となっており、若い世代ほど「たまたま」購入していることが多いようだ。

 効用を意識して選ぶ者にその効用・目的を聞いたところ、「食後の血糖値の上昇を緩やかにする」、「コレステロールが高めの方に適する」が各4割強で、「お腹の調子を整える、便通改善」「食後の血中中性脂肪が上昇しにくいまたは身体に脂肪がつきにくい」、「血圧が高めの方に適する」が各3割となっている。

 効果・効用の実感については、「効用を感じた」が2.3%、「やや効用を感じた」が9.4%で、両者を合わせて11.7%。「あまり効用を感じない」23.7%、「効用を感じない」が19.3%で両者を合わせると43.0%が効用を感じていないようだ。

 もともと特定保険用商品は即効性のある強い作用を持っているわけではない。安全性と保健要素が承認された商品に過ぎない。特定保険用商品を効果のあるものとするためには、健康的な食生活と特定保険用商品の利用の習慣化など消費者の努力が前提となる。(編集担当:久保田雄城)