日産、「中国がテクノロジーという観点で最も刺激に満ちた市場」とCES Asiaで発表

2019年06月12日 06:12

Invisible-to-Visible

日産がCES Asia2019で紹介している、現実と仮想の世界を融合するコネクテッドカー技術「Invisible-to-Visible(I2V)」は、『ニッサン・インテリジェント・モビリティ』のテクノロジーのひとつ

 日産自動車は、6月11日から13日まで中国の上海・浦東新区にあるケリーホテルで開催されているCES Asia 2019において、ドライバーの脳波測定による運転支援技術「Brain-to-Vehicle(B2V)」、リアル(現実)とバーチャル(仮想)の世界を融合するコネクテッドカー技術「Invisible-to-Visible(I2V)」、電気自動車のコンセプトカー「Nissan IMs」など、日産が「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」の未来像を展示している。

 「Invisible-to-Visible(I2V)」は、カーブの先にある物、建物の裏側の状況や遠くにいる家族や友人など、ドライバーに「見えないものを可視化」し、リアルの世界に重ね合わせることで究極のコネクテッドカー体験を生み出す技術だ。3月には、日産のテストコースで、第5世代移動通信方式(5G)を用いて「I2V」を走行中の車両で活用する実証実験を行った。CES Asia 2019の日産ブースでは、来場者がインタラクティブな3Dインターフェースやディスプレイで「I2V」を体験することが可能だ。

 「Brain-to-Vehicle(B2V)」は、ドライバーが運転操作をする直前に脳の行動準備電位を検出し、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始することで、ドライバーの反応の遅れをカバーし、思い通りの運転ができるようサポートする。また、自動運転時に脳波からドライバーの違和感を検出し、ドライバーが違和感を持たない自然な制御の自動運転にカスタマイズすることを可能にする。CES Asia 2019では、ドライビング・シミュレーターを用いて「B2V」技術のデモンストレーションを実施する。

 2019年の北米国際自動車ショーで公開された「Nissan IMs」は、セダンのデザインと機能を新たな次元への高めた四輪駆動の電気自動車コンセプトカー。革新的なパッケージやパワートレインを採用し、「I2V」も搭載した「Nissan IMs」は、将来の「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」を体現している。

 日産でグローバルマーケティングとブランド戦略を担当する専務執行役員のルー・ドゥ・ブリース氏の説明によれば、「日産は、つねに時代の先を行くことを目指しています。ただ未来のトレンドやテクノロジーを予測するだけではなく、日産がそれを定義するのです。テクノロジーとは現実に起こっている問題を解決するためにあるべきで、私たちはできるだけ多くの方にその恩恵を届けたいと考えています。これが、人々をより良い世界に導くための『ニッサン・インテリジェント・モビリティ』の理念です」と述べている。

 日産の専務執行役員と中国マネジメントコミッティ議長を兼任する東風汽車有限公司総裁の内田誠は、「テクノロジーという観点から見ると、中国は世界でも最も刺激的な市場であり、CES Asiaは『ニッサン・インテリジェント・モビリティ』の最新の技術やコンセプトカーを披露するのにふさわしいと考えています。日産は、これらのテクノロジーを開発していくことで、ユーザーの生活をよりワクワクさせ、日産事業の持続的な成長を確かなものにしていきます」とした。(編集担当:吉田恒)