TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、SUBARUとのオンライン合同イベントにおいて、新型GR 86、SUBARU BRZを世界初披露した。新型GR 86は、GRスープラ、GRヤリスに続く、TGRが展開するスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第3弾だ。
初代トヨタ86/BRZ は、水平対向4気筒エンジンを搭載したFRレイアウトのピュアスポーツカー。2012年に発売した初代モデルは、「低重心」「軽量」「コンパクト」という特徴を持つ水平対向エンジンを低い位置に搭載することで、世界トップクラスの低重心による優れたハンドリング性能を実現した。
「スポーツカーを持つ夢や、走る楽しさを届けしたい」という思いから、ドライバーの感覚ひとつで思いのままに取りまわせる「手の内感」や「操る楽しさ」を体感できる「直感ハンドリングFR」をコンセプトに、2012 年に誕生した。以来、ラリーやワンメイクレース、ジムカーナ、ダートトライアルといった様々な参加型モータースポーツのベース車として活躍したほか、カスタマイズしてオンリーワンのクルマをつくる愉しみなど、世界で累計20 万台を超える86 が走っている。
今回のトヨタ/SUBARUによる「GR 86」および新型「SUBARU BRZ」共同開発の特徴は、クルマのベースを共有しながら、それぞれの個性を引き伸ばし、異なる走りの味を持たせることに注力したことにあるという。
GR 86開発チームとBRZチームは、互いに切磋琢磨した結果、新型SUBARU BRZでは「誰もが愉しめる究極のFRピュアスポーツカー」を実現した。これは、2019年9月に合意した新たな業務資本提携の中で掲げた「もっといいクルマづくり」へ共に取り組むことの具体例であり、これまでの自動車業界における協業の形に捉われない、両社にとっての新たなチャレンジだ。今後も、トヨタとSUBARUは、それぞれの強みを持ち寄り、さらに関係を深めることで、「もっといいクルマづくり」の可能性を追求していくとも。
発表された車両概要によると、・パッケージ、サイズは、ほぼそのまま従来型を継承した。ボディは全長×全幅×全高4265×1775×1310mm、ホイールベース2575mm。全高ならびにヒップポイントを低く抑え、これまで以上の低重心化と回頭性の向上を図った。ルーフパネルのアルミ材採用などによる軽量・低重心化、フェンダーのアルミ材採用やフロントシート、マフラーなどの改良による軽量化にも成功し、コンパクトなFRスポーツに求められる、キビキビとした走りを更に追求した。
「軽量コンパクトかつ低重心なエンジン」という特徴の水平対向4気筒エンジンは、2リッターから2.4リッターへの排気量アップ。12.5の高圧縮比から、最高出力235ps(173kW)/7000rpm、最大トルク250Nm(25.5kg.m)3700rpmのアウトプットを得て、より動力性能を向上、0-100km/h加速性能を従来型の7.4秒から6.3秒に高めた。あわせてレスポンスを向上させ、高回転域までストレスなく伸びるフィーリングを実現した。トランスミッションは従来どおり6MTと6ATをラインアップする。標準装着タイヤは前後とも215/40R18だ。
それぞれグレード・装備など具体的なラインアップは未発表だが、BRZは2021年夏以降、TOYOTA 86は秋以降に発売される。(編集担当:吉田恒)