シカ被害把握へ 鹿野農水相 3日に静岡視察

2011年11月04日 11:00

 鹿野道彦農林水産大臣は3日、静岡県伊豆市内の大豆作付け地や民有林でのシカ被害を受けている現地を訪ね、被害状況を見て回るとともに、現地からの意見、要望を聞き、今後の鳥獣対策の参考にする。

 全国的に野生シカが増えすぎたことにより農林業に対するシカによる被害額は農水省の平成21年度の調べで71億円にのぼっている。

 また、イノシシやカラスによる被害も平成21年度調査でそれぞれ56億円、23億円となり、シカ、イノシシ、カラス、アライグマなど野生鳥獣による被害総額は213億円になっている。

 このため、政府は平成20年に特措法を議員立法で設け、市町村を中心とした地域ぐるみでの鳥獣被害防止の取り組みに対し、補助金や地方交付税での支援を行っており、鳥獣被害防止対策交付金として23年度に113億円を確保。24年度も同額を概算要求している。

 対策では農地にシカやイノシシなどが侵入しないよう防止柵を設置することに補助金を出すなど、シカの生息環境の管理や個体数の調整、被害防除への取り組み、人とシカの棲み分けを進める手立ての取り組み、シカ捕獲の担い手育成や捕獲活動への支援、捕獲後の食肉としての有効活用を促進している。

 農水省鳥獣災害対策室は近年の取り組みにより、被害は横ばいになっているという。
(編集担当:福角忠夫)