岸田文雄総理は22日開いた政労使会議で「日本経済がデフレに後戻りするか、デフレの完全脱却の道に向かうかの正念場だ」とし「地方版政労使会議の開催へ積極的な取組みを進めるよう」要請するとともに「労使の協力を」と求めた。
また賃上げ促進に向けた取組みを強調し中小企業の賃上げ後押し策として「全従業員数の7割が働く中小企業・小規模企業における賃金引上げが不可欠。労務費の価格転嫁を通じて賃上げの原資を確保することが鍵になる。政府としては賃上げ税制拡充やカタログから商品を選ぶように簡単に補助を受けられる省力化投資補助金などの賃上げ促進策を実行に移すとともに労務費の価格転嫁対策に全力で取組む」と語った。
岸田総理は「我が国経済は30年余り続いたコストカット型経済から所得増と成長の好循環による新たな経済へ移行するチャンスを迎えている。我が国経済に物価上昇を上回る構造的な賃上げを実現しなければならない」と強調。
そのうえで「民の努力を官としても強力に後押しするため、所得減税など政策を総動員していく。本日参加の経済界の皆さんには今年の春季労使交渉について、物価動向を重視し、昨年を上回る水準の賃上げをお願いしたい」と要請した。
岸田総理は「夏には賃上げと所得減税を組み合わせることで可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態を官民で確実に作り上げる」とした。(編集担当:森高龍二)