医療AI活用を後押し 画像読影の運用見直し検討へ

2026年07月23日 07:25

医療

医療AIによる画像読影支援のイメージ。政府は「規制改革実施計画」で、AIを活用した画像読影の運用見直しを検討し、住民がん検診における読影体制の見直しに向けた制度整備を進める方針を示した。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

政府は「規制改革実施計画」で、AI(人工知能)を活用した画像読影の運用見直しを検討する方針を示しました。現在は原則として2名以上の医師で行われている住民がん検診の画像読影について、読影精度を担保しつつ、AIの活用により医師1名でも可能とする方向で見直しを検討します。医師の負担軽減を図り、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進につなげる狙いです。

本文
 政府は2026年7月21日に閣議決定した「規制改革実施計画」において、医療現場における医師の負担軽減とがん対策の強化に向け、AIを活用した画像読影の運用見直しを検討する方針を打ち出しました。胃がんや肺がん、乳がんなどの住民検診では、見落としを防ぐため原則として2名以上の医師による読影が求められています。しかし、高齢化に伴う医療ニーズや地方部における医師不足を背景に、読影を担う医師の業務負担が課題となっており、持続可能な検診体制の維持に向けた運用見直しが求められていました。

 今回の見直し検討では、AIが画像を解析して異常の疑いを検出し、その結果を踏まえて医師が判読を行う業務フローなどの実現性を検証します。AIは医師に取って代わるものではなく、異常の疑いがある箇所を提示して医師の確認を支援するツールとして位置付けられます。AIによる検出支援と医師による判断を組み合わせることで、読影精度の確保と作業の効率化を両立させる狙いがあります。

 見直しが進めば、従来2名以上の医師が必要とされていた読影規定について、AIの活用と十分な読影精度を担保することを前提に、医師1名でも可能とする方向で指針などの見直しが検討されます。これにより、特に読影医の確保が困難な地方の医療機関や自治体における検診体制の確保に寄与するとともに、医師一人あたりの負担軽減や受診者への結果通知の迅速化も期待されます。

 一方で、医療分野におけるAI活用には、高い信頼性と安全性の確保が前提となります。AIによる誤検出や見落としのリスクに対応するため、AIプログラムの性能評価や精度管理の基準整備が不可欠です。あわせて、最終的な診断責任の所在を明確にし、受診者に対する説明体制や適切な運用管理を整える対応が求められます。

 今回の見直しは、単なる作業の効率化にとどまらず、電子カルテ情報の共有や医療データの二次利用、遠隔診療の普及などとともに、医療DXを進める取り組みの一つとして位置付けられます。精度検証や安全性の確認を慎重に進めながら、医療現場の実態に即した運用ルールを整えられるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)