介護費用が月1兆円規模に 高齢化で受給者数は484万人超

2026年07月29日 16:05

画・2020年「介護事業者」の倒産、過去最多。地域介護サービス守るための開業が急増。支援が急務。

介護サービスの受給者数は484万人を超え、介護費用も月間で1兆円規模となった。高齢化を背景に介護サービスの利用は増加傾向が続いている。(写真はイメージ)

今回のニュースのポイント

厚生労働省が公表した2026年4月審査分の介護給付費等実態統計によると、介護サービスの受給者数は484万1200人と前年同月比1.7%増加し、費用額は1兆88億6200万円と2.7%増加しました。一方、受給者1人当たりの費用は20万8400円で1.0%の増加にとどまっており、総費用の拡大は高齢化に伴う利用者の増加が主な要因となっています。

本文
 厚生労働省は7月29日、2026年(令和8年)4月審査分の「介護給付費等実態統計月報」を公表しました。全国の介護サービス受給者数は484万1200人となり、前年同月を1.7%上回りました。介護サービスの総費用額も1兆88億6200万円と前年同月比2.7%増加しており、高齢化に伴う介護需要の拡大が続いています。

 サービス受給者数は、前年同月の476万1500人から約8万人増加しました。要介護になる前の段階で支援を受ける「介護予防サービス」の受給者数も102万400人に達し、前年同月比で5.4%増加しました。予防段階から支援を利用する層の広がりがうかがえます。

 費用の動向を見ると、介護サービスにかかった総額は1兆88億6200万円となり、月間で1兆円を超える規模で推移しています。一方で、受給者1人当たりの費用額は20万8400円で、前年同月からの増加率は1.0%にとどまりました。総費用全体の増加率(2.7%増)が1人当たり費用の増加率(1.0%増)を上回っていることから、費用総額の押し上げは単価の上昇よりも利用者数の増加による影響が大きいことが示されています。

 要介護度別の受給者数では、要介護1が1309.7千人(前年同月比2.7%増)、要介護2が1174.0千人(同2.1%増)など、軽度から中等度の要介護区分で前年を上回る伸びとなりました。要介護3(同1.1%増)や要介護4(同1.5%増)も堅調に推移する一方、最も重度な要介護5は546.4千人(同0.3%減)とほぼ横ばいとなりました。

 今回の統計から読み取れるのは、社会保障費の増加をもたらしている構造的な要因です。費用の拡大は、介護サービスそのものの価格が急速に上昇したためではなく、高齢化の進展に伴って制度を利用する対象者が確実に増えていることが主因と考えられます。高齢化の進展を背景に、こうした利用者の増加傾向が続いています。

 今後は、受給者数や給付費の伸びがどのように推移するかに加え、介護需要の拡大に対応しながら、制度の持続可能性とサービスの質をどう両立するかが課題となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)