大型蓄電システムの製造・組立を表すイメージ。米Fluence Energyは2026年度の売上高見通しを約24億ドルへ引き下げ、米国内生産に影響するサプライチェーン上の問題、とりわけヒューストンの委託製造施設の立ち上げ遅延を主因としている(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
米エネルギー貯蔵システム大手のFluence Energyは9月16日、2026年度(2026年9月期)の通期業績見通しを下方修正し、売上高予想の中央値を従来の約30億ドルから約24億ドルへと引き下げたと発表しました。調整後EBITDAの見通しも従来の約1,000万ドルの赤字から約2億ドルの赤字へ拡大します。同社は主因として、ヒューストンにある委託製造施設の立ち上げ遅延など米国内でのサプライチェーン上の問題を挙げています。一方で、同社は製品需要自体について米国内外ともに引き続き強いと説明しており、需要減退ではなく米国内の製造・供給面の問題が業績見通しに影響した形です。
本文
米大手蓄電システム事業者のFluence Energyは2026年9月16日、2026年度(2026年9月期)の通期業績予想を下方修正し、売上高見通しを約24億ドルへ引き下げたと発表しました。従来のガイダンス中央値は約30億ドルで、中央値との比較では約6億ドルの下振れとなり、編集部計算で約20%の引き下げとなります。
収益面の見通しも悪化しており、非GAAP指標である調整後EBITDAは、従来のガイダンス中央値である約1,000万ドルの赤字から、約2億ドルの赤字へと修正されました。赤字額は従来の中央値との比較で約1億9,000万ドル拡大します。
同社が今回提示した下方修正の理由において、注視すべきは製品需要の動向ではなく「製造・供給体制」における問題点です。同社のジュリアン・ネベダ最高経営責任者(CEO)は、米国内生産に影響を与えている継続的なサプライチェーン上の課題、とりわけテキサス州ヒューストンに所在する委託製造施設の立ち上げ遅延が今回の下方修正をもたらした主要因であると説明しています。
一方でFluence側は、製品に対する市場需要自体については、米国本土および海外市場の双方で引き続き強い水準を維持していると表明しています。また、海外におけるサプライチェーンの運用についても支障なく順調に推移しているとしています。今回の見通し引き下げは市場需要の冷え込みを示すものではなく、獲得している受注残を実際の製品として製造し、売上高やキャッシュフローへ転換するプロセスで課題が生じていることを示しています。
同社によると、ヒューストンの委託製造会社は現在、是正措置を進めており、日次生産量は増加傾向にあるとしています。こうした状況を踏まえ、同社はサプライチェーン、製造、製品納入計画の再構築を加速させています。
2027年度に向けては、外部資本に依存せず受注残を消化・履行できる体制を整え、営業キャッシュフローを中立からプラスへと好転させることを目標として掲げました。ただし、これは確定した事業予想や最終損益の黒字化を約束するものではなく、詳細な2027年度の財務見通しは2026年度決算発表時に改めて開示される予定です。
Fluenceは受注残を売上高とキャッシュに転換することを最優先課題としており、需要を実際の製造・納入につなげる体制の立て直しが焦点となります。今後は委託工場の生産リカバリーの進展に加え、次期決算で示される供給網再構築とキャッシュフロー改善計画の具体性が確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













