今回のニュースのポイント
高市早苗首相は9月17日、第2次高市改造内閣の発足に伴う記者会見で、「責任ある積極財政」の下で強い経済の実現に向けた政策を加速すると表明しました。経済財政政策や成長戦略など「政権の最重要課題」では継続性を重視したと説明し、財務、経済財政、経済産業、デジタルなど主要閣僚に担わせる政策を具体的に示しました。
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7月21日に閣議決定された「骨太方針2026」および「日本成長戦略」で示された政策課題に対し、今回の内閣改造では、こうした政策について継続する体制と新たな担当配置が示されました。政府は7月時点で、17の戦略分野を中心とした危機管理投資や成長投資を進める方針を示していました。
■「責任ある積極財政」の実行を急ぐ
高市首相は、日本成長戦略と地域未来戦略によって国内投資を誘発し、潜在成長率を高め、雇用・所得、消費、事業収益、税収へつながる好循環を目指すと強調しました。その上で、「責任ある積極財政」の実行を急ぐ考えを示しています。
この姿勢は、7月21日に決定された骨太方針2026と一貫しています。同方針では「責任ある積極財政」を基本に、強い経済と財政の持続可能性を一体的に実現する方針が掲げられていました。内閣府の資料においても、17の戦略分野(62の主要製品・技術)を中心に官民投資を進める考えが示されています。さらに政府は、2040年度に国内民間設備投資額を250兆円とする新たな官民目標を位置付けています。
■経済政策の主要閣僚、首相が「継続性」重視を明言
高市首相は人事について、経済財政政策や成長戦略といった「政権の最重要課題として取り組みを加速させていく職務」については、継続性を確保する観点から関係閣僚を留任させたと説明しました。内閣全体の人事方針については「実行力重視」であると説明しています。
首相自身が、経済財政政策や成長戦略などについて、継続性を確保する観点から関係閣僚を留任させたと直接説明する形となりました。
■財政は片山氏、成長戦略は城内氏
具体的な閣僚の役割において、高市首相は片山さつき財務相に対し、成長力を高めつつ中長期的な財政の持続可能性も確保する「責任ある積極財政」の中核を担わせると説明しました。あわせて、消費税・支援金法案の担当としての重責にも言及しています。
また、城内実経済財政担当相については、市場との対話や政策の継続性を確保しながら、経済財政政策と日本成長戦略の具体化を進めてもらう考えを示しました。
7月に策定された日本成長戦略では、主要政策について複数年度の投資事業計画や予算事業を盛り込んだ「日本成長戦略実行計画」を年末の予算編成過程に向けて取りまとめる方針が明記されています。今後の観測点は年末の実行計画策定と2027年度予算編成へ移ります。
■AIを医療・介護・運輸・建設へ 赤澤経産相に社会実装
会見ではAI政策の展開先についても非常に具体的な方針が語られました。
高市首相は赤澤亮正経済産業相について、人手不足が課題となる医療、介護、運輸、建設などの分野でAI活用を加速させると表明しました。赤澤氏には新たにAX社会実装担当も担わせ、医療、介護、運輸、建設や中小企業などでAI活用を進める方針を示しています。
一方、古川俊治デジタル相には、「AI・デジタル改革推進担当」に加え、内閣府特命担当大臣として人工知能戦略、科学技術政策、宇宙政策、海洋政策、サイバー安全保障、知的財産戦略などを担当させました。
■「パワーGX戦略」は年末まで 赤澤氏に指示
質疑応答では、エネルギー分野について、8月に示していた「パワーGX戦略」の年末取りまとめ方針にも改めて言及しました。
高市首相はGX(グリーントランスフォーメーション)政策に関して、資源・エネルギー安全保障とGXを日本成長戦略の戦略分野として進める姿勢を改めて示しました。原子力発電の活用、ペロブスカイト太陽電池、次世代地熱発電、化石代替燃料などの開発・導入を同時に進めると述べ、年末までに取りまとめるよう赤澤経産相へ既に指示を出したと明らかにしています。
■積極財政と同時に「市場の信認」
長期金利の動きに関する質問に対し高市首相は、責任ある積極財政の推進にあたり、国民や国内外の市場関係者に対して骨太方針の内容を含めた透明性の高い一貫した説明を行うよう、関係閣僚に指示したと述べました。強い経済の構築と財政持続可能性のバランスを重視する意向です。
ただし、市場金利の足元の水準についての直接的な評価は避け、金融政策の具体的な手法や判断は日本銀行に委ねられているとの原則的な立場を強調しました。この「市場との丁寧なコミュニケーション」というアプローチも一貫しており、7月の経済財政諮問会議で示された対話方針に沿ったものとなっています。
■債務残高対GDP比の安定的低下も維持
消費税減税などを巡る議論に対しても、歳出・歳入両面における不断の見直しとともに、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていく範囲内で可能となる財政規模を精査すると説明しました。当初予算と補正予算を通じた年間の国債発行額についても、適切にコントロールしていく考えを示しています。
7月の政府説明においても、債務残高対GDP比の安定的低下を財政運営の中核に据える姿勢が示されています。
7月21日の骨太方針および日本成長戦略によって「何をするか」という施策の骨組みが提示され、9月17日の内閣改造では、政策を継続する体制と新たな担当配置が示されました。首相会見では、主要閣僚に担わせる政策課題も改めて説明されています。
今後は、年末までの取りまとめが示されたパワーGX戦略や日本成長戦略実行計画、2027年度予算編成で、投資額や予算、制度、工程がどこまで具体化されるかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













