帝人、第1四半期は最終利益451億円 関係会社株式売却益で黒字転換、通期予想を上方修正

2026年08月04日 17:04

今回のニュースのポイント

帝人が発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)決算は、売上収益が2,219億円(前年同期比8.7%減)となる一方、親会社株主に帰属する四半期利益は451億円となり、前年同期の7億円の赤字から大幅な黒字転換を果たしました。主因は関係会社株式売却益約455億円の計上で、これを受けて通期業績予想も上方修正しています。

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 帝人が4日発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比8.7%減の2,219億4,300万円、営業利益が599億5,900万円(前年同期は22億9,500万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益(最終利益)が451億600万円の黒字(前年同期は7億4,000万円の赤字)となりました。売上収益は前年同期を下回ったものの、株式売却益の計上などにより大幅な黒字転換を達成しました。税引前四半期利益は598億3,100万円(前年同期は6,200万円)へと伸長しました。

 利益が急増した最大の要因は、資産リサイクルに伴う関係会社株式売却益の計上です。同社は保有していたデュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社およびDuPont Teijin Advanced Papers (Asia) Limitedの株式売却に伴い、関係会社株式売却益454億5,200万円を「その他の収益」に計上しました。この株式売却に伴い、投資活動によるキャッシュ・フローでも約451億円の売却収入が反映されています。

 一方、非経常的な損益を除いた本業の稼ぐ力を示す事業利益も123億700万円(前年同期比56.8%増)となり、本業の採算性も着実に改善しています。当期より変更された新セグメント別では、アパレル&インダストリーズ(事業利益47億7,000万円)、ヘルスケア&ライフソリューションズ(同45億8,300万円)、エレクトロニクス&エナジー(同85億3,400万円)の各セグメントが揃って黒字を確保しました。スペシャリティマテリアルズは10億2,600万円の事業赤字となったものの、全社的な収益の底上げが進みました。

 財政状態においては、株式売却益の計上などが寄与し自己資本が積み増されました。当第1四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末比300億6,800万円増の9,501億8,300万円、親会社の所有者に帰属する持分は4,151億4,100万円へ増加し、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は43.7%(前期末は39.6%)へと改善しました。現金及び現金同等物の四半期末残高は1,410億2,700万円となり、営業活動によるキャッシュ・フローも172億5,400万円のプラスを確保しています。

 株式売却益の計上を踏まえ、同社は2027年3月期の通期連結業績予想を修正(上方修正)しました。通期の売上収益は9,000億円(前期比3.1%減)、事業利益は300億円(同16.4%増)、営業利益は700億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は450億円を見込んでいます。なお、1株当たりの年間配当予想については50円(中間25円、期末25円)を据え置いています。

 今回の決算は関係会社株式の売却による一時的な利益押し上げ効果が大きく寄与したものの、本業を示す事業利益も前年から5割超拡大するなど改善傾向がうかがえます。今後は組織再編を実施した新セグメント体制の下、一時的な株式売却益に依存しない持続的な収益構造を構築できるかが注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)