アステラス製薬、第1四半期営業益95%増 重点戦略製品が成長をけん引

2026年08月05日 18:51

今回のニュースのポイント

アステラス製薬が5日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比26.7%増の6,409億1,400万円、営業利益が同94.9%増の1,845億6,000万円となりました。PADCEVやIZERVAYをはじめとする重点戦略製品のグローバル展開加速や前立腺がん治療剤XTANDIの伸長に加え、円安に伴う為替のプラス効果が業績を大幅に押し上げました。通期の連結業績予想および配当予想は従来公表値を据え置いています。

本文
 アステラス製薬が5日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比26.7%増の6,409億1,400万円、営業利益が同94.9%増の1,845億6,000万円となりました。税引前四半期利益は同106.3%増の1,865億1,400万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同107.3%増の1,418億2,800万円となり、前年同期比でそれぞれ約2倍に急拡大しました。重点戦略製品の成長と主力製品の順調な販売拡大が収益を強力に底上げしました。

 主要製品では、成長の軸となる重点戦略製品群の売上高が計1,603億円(前年同期比43.2%増)へと拡大しました。尿路上皮がん治療剤「PADCEV」は適応拡大等により755億円(同36.0%増)、加齢黄斑変性治療剤「IZERVAY」は新規患者の獲得が進み272億円(同70.3%増)に達したほか、胃がん・食道胃接合部がん治療剤「VYLOY」も211億円(同50.7%増)と大きく伸びました。また、閉経に伴う血管運動神経症状治療剤「VEOZAH」が149億円(同54.8%増)、急性骨髄性白血病治療剤「XOSPATA」が216億円(同27.3%増)となったほか、主力の前立腺がん治療剤「XTANDI」もグローバルでの需要獲得が続き2,766億円(同18.7%増)と着実に伸びました。

 地域別売上収益はすべての市場で前年同期を上回りました。最大の市場である米国が2,888億円(前年同期比28.5%増)と好調を維持したほか、日本が796億円(同15.5%増)、欧州やカナダ等のエスタブリッシュドマーケットが1,522億円(同18.2%増)、中国が321億円(同8.9%増)、中南米やアジア等のインターナショナルマーケットが854億円(同60.5%増)となりました。また、外国為替相場における円安進行(米ドル平均159円、ユーロ平均185円)も追い風となり、売上収益で約600億円、コア営業利益で約255億円の押し上げ効果が発生しました。

 2026年6月末時点の財政状態は、無形資産や売上債権の増加などにより総資産が前期末比1,254億8,400万円増の3兆6,925億2,600万円となりました。四半期利益の積み上がりにより資本合計は同1,135億6,500万円増の1兆9,444億4,900万円となり、親会社所有者帰属持分比率は52.6%(前期末は51.3%)に上昇しました。なお、期中に配当金698億6,800万円の支払いを行ったことなどから、現金及び現金同等物は2,446億9,800万円(前期末比369億700万円減)となっています。

 2027年3月期の通期連結業績予想について同社は従来見通しを維持しました。売上収益2兆2,200億円(前期比3.8%増)、営業利益3,950億円(同3.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,000億円(同2.9%増)を見込んでいます。年間配当予想(1株あたり80円、中間40円・期末40円)にも変更はありません。

 今回の決算では、研究開発費が増加傾向にあるものの、PADCEVやIZERVAYなどの重点戦略製品の市場浸透と為替の円安効果が寄与し、第1四半期として大幅な増収増益を達成しました。今後は新薬群の適応拡大や市場開拓を着実に進め、通期業績目標の達成に向けた成長モメンタムを維持できるかが焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)