三越伊勢丹HD、第1四半期営業利益20.6%増 通期予想を上方修正、実質増配と株式2分割

2026年08月13日 15:53

今回のニュースのポイント

三越伊勢丹ホールディングスの2027年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比3.8%増、営業利益が20.6%増となり、増収・2桁増益となりました。国内では物価高を背景に個人消費の一部で慎重な動きがみられる一方、首都圏を中心に国内富裕層や訪日外国人旅行者による消費が堅調に推移しました。同社は通期業績予想を上方修正したほか、2027年3月期の年間配当を株式分割前換算で80円相当とし、前期の70円から実質増配する方針です。また、10月1日付で1株を2株とする株式分割も実施します。

本文
 三越伊勢丹ホールディングスが13日発表した2027年3月期第1四半期連結決算(2026年4月1日〜6月30日)は、売上高が前年同期比3.8%増の1289億1200万円、営業利益が20.6%増の188億7700万円となりました。経常利益は16.7%増の199億2700万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は18.5%増の223億1600万円でした。前年同期は営業利益が17.1%減と落ち込んでいましたが、当第1四半期は増益へ転じました。

 同社によると、国内の個人消費においては物価高の影響により一部で慎重な動きが継続したものの、小売市場では首都圏を中心に訪日外国人旅行者や国内富裕層による消費が引き続き堅調に推移し、市場を牽引しました。主力の「百貨店業」セグメントでは、売上高が前年同期比2.5%増の1048億2100万円、営業利益が24.4%増の155億円となりました。伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店を中心に高付加価値商品の提案や顧客体験価値の向上を進め、国内識別顧客売上高や高額購買顧客層の売上が伸長したほか、海外顧客向け施策の推進によりインバウンド売上も好調に推移しました。

 足元の業績推移を踏まえ、同社は2027年3月期(通期)の連結業績予想を上方修正しました。売上高を5620億円(前年比3.0%増、前回予想から20億円増)、営業利益を840億円(前年比5.0%増、前回予想から25億円増)、経常利益を830億円(前年比4.1%減、前回予想から30億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益を630億円(前年比17.2%減、前回予想から15億円増)にそれぞれ引き上げています。

 あわせて同社は、2026年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行うことを発表しました。目的について同社は「株式の投資単位を引き下げることで、個人投資家をはじめとする幅広い投資家に投資しやすい環境を提供し、新たな株主層の拡大を図る」としています。2027年3月期の配当予想についても見直しを行い、中間配当を40円00銭(分割前)、期末配当を20円00銭(分割後)としました。株式分割の影響を考慮しない場合、期末配当は40円00銭相当となり、年間配当は80円00銭相当となります。前期(2026年3月期)の年間配当70円00銭から実質10円の増配となる見通しです。

 同社は中長期の成長に向け、従来の百貨店を中心とした「館業」から、顧客一人ひとりと直接つながる「個客業」へのビジネスモデル転換を進めています。百貨店を通じて識別した顧客との関係を深めるとともに、クレジットカードや不動産、グループ内の多様なコンテンツを活用した“連邦”活動により、新たな収益機会の創出を図る方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)