今回のニュースのポイント
政府の地震調査委員会は12日、令和8年熊本地震について、地震活動は大局的に緩やかに減少しているものの、依然として活発な状態が続いているとの評価をまとめました。7月28日に発生したマグニチュード(M)7.1の地震の震源断層の主たる部分は、日奈久断層帯の高野-白旗区間の一部と日奈久区間北東部に及んでいると評価されています。 現地では最大約2メートルの右横ずれなどの地表地震断層が確認され、八代市の観測点が北東方向へ約87センチ移動する大きな地殻変動も観測されました。今後1カ月程度は最大震度5弱程度以上の地震に注意が必要で、活動域が広いため地震の規模や震源との位置関係によっては7月28日の地震より強く揺れる可能性もあります。
本文
政府の地震調査委員会は12日、令和8年熊本地震に関する総合評価を公表しました。一連の地震活動について、発生数は増減を繰り返しながら大局的には緩やかに減少しているものの、依然として活発な状態が継続していると評価しました。7月28日16時27分に発生したM7.1の地震(最大震度7)以降、8月12日午前9時までに震度1以上を観測した地震は計623回に達しています。発災当日の194回や翌29日の144回といったピーク時に比べると日別の発生回数は大幅に減っているものの、地震活動は北東から南西方向に延びる約50キロの範囲に広がっており、活発な活動が続いています。
今回の科学的評価で大きな焦点となったのが、M7.1の地震を引き起こした震源断層の特定と既存の活断層帯との関係です。今回の地震活動は主に日奈久断層帯の「高野-白旗区間」と「日奈久区間」に沿って分布しており、解析の結果、M7.1の震源断層の主たる部分は高野-白旗区間の一部および日奈久区間の北東部に及んでいると考えられると評価されました。
地下の断層運動に伴う変化は、地表や地殻変動の観測でも確認されています。現地調査や空中写真の判読によると、日奈久断層帯に沿って地表地震断層が確認され、熊本県氷川町付近では最大約2メートルの右横ずれ変位が計測されました。また、衛星測位システム(GNSS)による観測では、M7.1の地震に伴って八代市の千丁観測点が北東方向に約87センチ移動するなど広範囲で地殻変動が発生したほか、地震後も日奈久区間南西部を中心に余効変動とみられる地殻の動きが観測されています。
これらを踏まえ、地震調査委員会は今後の防災上の注意点を取りまとめました。今後1カ月程度は最大震度5弱程度以上の地震に注意が必要であり、平常時と比べて最大震度5強程度以上の地震も依然として発生しやすい状況にあると評価しています。特に注意すべき点として、今回の地震活動域が約50キロと広範囲にわたっているため、今後の地震の規模や震源との位置関係によっては、7月28日のM7.1の地震による揺れよりも強く揺れる可能性があることを指摘しています。また、活動域には海域も含まれるため、海底で規模の大きな地震が発生した場合には津波への注意も求めています。
発災から2週間以上が経過し、震源地周辺では復旧・復興に向けた動きが進んでいます。一方、地震調査委員会は地震活動が依然として活発な状態にあると評価しており、地震後の余効変動とみられる地殻変動も観測されています。被災地や周辺地域では、引き続き強い揺れや津波に対する日常的な備えを維持することが求められています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













