今回のニュースのポイント
厚生労働省の検討会は、市販薬(OTC医薬品)との代替性が特に高い医療用医薬品77成分を対象に、薬剤費の4分の1を保険外として患者が別途負担する新制度の中間とりまとめを公表しました。医療用と市販薬の負担の公平性や保険料の抑制が目的ですが、病院受診自体や診察料が保険外になるわけではありません。さらに、がんや指定難病の治療、入院中の処方、一定の薬を処方される妊婦・授乳婦、医師が医療上長期投与が必要と認めたケースなどについて、追加負担を求めない配慮策の具体的な線引きが整理されました。
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医療機関で処方される医療用医薬品のうち、ドラッグストアなどで買える市販薬(OTC医薬品)と成分や投与経路が同一で、一日最大用量が異ならないなど代替性が特に高い「OTC類似薬」について、新たな患者負担制度の具体的な線引きが中間とりまとめとして示されました。
今回整理された対象は77成分です。対象となる処方薬を受け取る場合、患者は通常の窓口負担(1~3割)とは別に、薬剤費本体の「4分の1(25%)」を保険外として別途支払う「一部保険外療養」の仕組みが導入されます。なお、追加負担の対象はあくまで対象薬剤の費用部分のみであり、診察料や検査料、処方箋料などの医療行為全体が保険外になるわけではありません。
この制度は、同じ薬であっても「何の治療目的で処方されたか」によって追加負担の有無が変わる点が大きな特徴です。医療用とOTC医薬品で承認されている効能・効果が一致しない場合、OTCでは認められていない効能・効果を目的とした処方であれば追加負担は発生しません。
読者の関心が高い「自分は免除されるのか」という配慮対象についても詳細な線引きが示されました。
がん患者の場合、抗がん剤治療や放射線・手術に伴う副作用、有害事象への対応、緩和ケアなど「がんやその治療に関連して生じた状態」に対する処方であれば追加負担はありません。一方で、がん治療中であっても、がん治療との関連が薄い花粉症や水虫、一般的な風邪や腰痛などへの処方は原則として追加負担の対象となります。患者の属性だけでなく、処方と傷病の直接的な関係で判断されます。
指定難病や国の公費負担医療を受けられる方についても、当該疾患や付随する傷病への処方であれば追加負担を求めません。また、入院中(退院時を含む)の処方や、生検・処置・手術などに伴う症状への対応として新たに同日に処方される急性期管理の薬についても、一定の条件のもと14日分まで対象外とされます。
このほか、OTC医薬品では「服用しないこと」とされている一定の薬について、妊婦や、妊娠している可能性があるためOTC医薬品を服用できない女性、授乳婦は追加負担の対象外とする整理も示されています。
長期間飲み続けている薬については、医師が年間を通じた治療の継続性を確認・判断することを前提とします。内服薬では「年間処方日数がおおむね50週(約350日分)」であることを長期使用の目安とし、お薬手帳やオンライン資格確認などの処方歴を用いて確認します。また、過去の処方歴を確認できない場合でも、少なくとも初診から6か月間にわたり症状の持続・反復と対象薬の継続的・反復的な使用が確認され、今後も通年での使用が医療上必要と医師が認めた場合には、配慮の対象となり得ます。
今回の見直しは、必要な受診や処方そのものを拒む制度ではなく、OTC医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品について、新たな患者負担の仕組みを設けるものです。身近な薬が多く含まれるだけに、単に対象となる77成分の名前だけでなく、「どんな患者・どんな処方なら追加負担になるのか」という具体的な運用のルールを把握することが重要になります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













