今回のニュースのポイント
猛暑が海水浴の「時間帯」を変え始めています。帝国データバンクが全国20道府県の主要海水浴場63地点を対象に実施した人流調査によると、2026年の「海の日」における人流は約6割にあたる39地点で前年を下回りました。一方で時間帯別では、午前中から夕方にかけて前年割れが続いたのに対し、17時以降は増加へ転じ、19~20時には前年比で最大2割増となりました。海の家でも夜間営業やライトアップを強化する動きがみられ、ビーチの「ナイトエコノミー化」が進む兆しが表れています。
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帝国データバンクは27日、全国の主要海水浴場における人流動向の分析結果を発表しました。携帯電話の位置情報データを活用した「モバイル空間統計」を基に、1シーズンの利用者が概ね10万人以上となる全国20道府県・63海水浴場を対象として、2025年と2026年の「海の日」における人流(午前8時~午後8時)を比較分析したものです。
調査結果によると、2026年「海の日」の人流は全63地点のうち約6割にあたる39地点で前年を下回りました。減少した39地点のうち、7地点では前年比20%以上の減少となり、13地点で10%以上の減少を記録しました。具体的な地点では、須磨海水浴場が前年比19.9%減、逗子海岸が同9.5%減、三浦海岸が同9.4%減となるなど、各地の著名ビーチで人流の落ち込みが確認されました。なお、人流減少の背景には近年の猛暑に加え、人手不足による営業時間短縮や海の家の店舗数減少、自治体による規制強化など、複数の環境変化が影響しているとみられます。
一方で、今回の調査では地域ごとの単純な「避暑」にとどまらない動きも浮かび上がっています。「暑さを避けて北日本などの涼しい地域の海へ向かう」という見方があるものの、調査では北海道や東北のほか、沖縄でも前年を下回るビーチが散見されました。さらに同じ神奈川県内でも、逗子海岸や三浦海岸で人流が減少した一方、由比ガ浜海水浴場では前年比4割超の大幅増となるなど明暗が分かれました。海水浴需要が一律に減退しているというよりは、人気度やアクセス利便性、現地での取り組みなどを総合的に踏まえて訪問先が選別されている状況が示唆されます。
本調査における最大の発見は、時間帯による人流の明確なシフトです。各地点の平均人流を時間帯別に追うと、午前中から夕方にかけて前年を下回る推移が続きました。しかし、日射しが和らぐ17時以降になると前年を上回る水準へ浮上。ピークとなる19~20時には前年比で最大2割増を記録しました。強い日差しと危険な暑さを避けて昼間の外出を控え、夕方から夜間の時間帯へとレジャーを楽しむ時間をずらす消費者の行動変化が色濃く反映された格好です。
人流の「夜シフト」に伴い、ビーチでのビジネスの形にも変化が表れています。夕涼みや夜の海辺を訪れる来訪者を狙い、夜間の飲食提供やライトアップなどを組み合わせた営業に取り組む動きがみられます。例えば千葉県の稲毛海浜公園では、8月限定でナイトプールを20時まで営業する取り組みを実施。逗子や江の島周辺などのエリアでも、21時まで営業時間を延長する海の家が登場しています。
「暑いから海水浴客が減る」という結果自体に意外性はありません。しかし今回の人流データから見えるのは、消費が単純に消えるだけではなく、昼から夕方・夜へ「時間」が移り始めている実態です。猛暑・酷暑が続けば、夏のレジャー産業や沿岸部の観光地では、気温や時間帯に合わせて営業時間やサービス内容を組み替える動きがさらに広がる可能性があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













