長期金利一時3%、日銀8月調査では2027年6月末の予想中央値3.00%

2026年09月02日 07:10

日銀1

日本銀行本店。日銀が公表した8月の債券市場サーベイでは、新発10年国債利回りの2027年6月末の予想中央値は3.00%となった。

今回のニュースのポイント

日本銀行が9月1日に公表した「債券市場サーベイ(2026年8月調査)」によると、市場参加者による新発10年国債利回りの予想中央値は、2026年9月末2.80%、2027年6月末3.00%となりました。調査は8月3日~7日に実施されたものです。一方、実際の債券市場では9月1日、新発10年国債利回りが一時3.00%に達しました。本調査は「初回到達時期」を尋ねたものではありませんが、8月上旬時点の市場見通しと、直近の市場実勢の双方から債券市場の金利観が浮き彫りとなっています。

本文
 日本銀行は9月1日、市場参加者を対象とした「債券市場サーベイ(2026年8月調査)」の結果を公表しました。債券市場の機能度判断や、今後の国債利回りに対する市場の予想水準が示されています。

 新発10年国債利回り(長期金利)の予想中央値を見ると、2026年9月末が2.80%、12月末が2.90%、2027年3月末が2.95%、6月末が3.00%となりました。さらに先の2027年度末、2028年度末についても予想中央値は3.00%と並んでいます。平均値においても9月末の2.82%から2027年6月末の2.98%、2027年度末の3.01%まで概ね3%前後で推移する結果となりました。

 一方、実際の債券市場では9月1日、新発10年国債利回りが一時3.00%まで上昇する場面がありました。今回のサーベイは指定された特定時点での利回り水準を尋ねたものであり、「いつ初めて3%に達するか」を問う調査ではありません。しかし、8月上旬時点のサーベイで2027年6月末の予想中央値として示されていた3.00%という水準に、9月1日の市場実勢が一時到達した形となります。

 市場参加者の見通しの広がりを示す四分位点を見ると、10年債利回りの第3四分位点(低い方から並べた75%点)は2026年9月末が2.90%、2027年6月末が3.10%、2027年度末が3.20%となりました。一方、第1四分位点(25%点)は2027年度末で2.85%となっており、将来の利回り水準には一定の幅が存在しています。

 また、2027年度末の10年債利回りの確率分布では、最も高い確率が割り当てられたのは「2.76~3.00%」の27.7%でした。次いで「3.01~3.25%」が24.9%、「3.26~3.50%」が13.9%と続き、長期的にも3%前後のレンジを中心に予想が集まっている様子が窺えます。

 ほかの年限の見通しでは、新発30年国債利回りの予想中央値が2026年9月末から2027年6月末まで4.00%で横ばいとなり、2027年度末は4.05%となりました。20年債の中央値は9月末が3.70%、2027年6月末が3.80%となっています。短中期の2年債は9月末1.60%、5年債は2.10%となり、年限が長いほど高い利回りが想定されるイールドカーブが描かれています。

 サーベイのもう一つの柱である債券市場の機能度判断(現状)DIは、前回(5月調査)のマイナス16からマイナス12へ4ポイント改善しました。内訳は「高い」が6%、「さほど高くない」が75%、「低い」が18%でした。過去の著しい低下傾向からは持ち直しているものの、依然としてマイナス圏が続いています。

 さらに、市場参加者の注文量(板の厚み等)に関する判断DIは前回のマイナス26からマイナス33へ悪化し、「注文量が少ない」とする回答が34%へ上昇しました。ビッド・アスク・スプレッド判断DIもマイナス25(前回マイナス23)となり、市場機能の評価は多角的な視点で分かれています。

 今回の調査は8月3日~8月7日にかけて、国債売買オペ対象先や大手機関投資家(生損保、投信委託等)など77先を対象に実施されたものです。直近の市場で長期金利が3%に達するなか、市場参加者が今後の金利水準や取引環境をどう捉えているかを示す基盤データとなります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)