出生数、1~4月は20万6971人で0.7%増 自然減は5.5万人縮小、日本の人口動態に変化

2026年09月09日 08:19

画・「仕事が忙しく十分な子育てができない」 男性は54%、女性は 26%

2026年1~4月の出生数は20万6971人で前年同期比0.7%増となった一方、死亡数は53万2197人で9.1%減少した。出生と死亡の差による自然減は32万5226人で、前年同期から5万4606人縮小した(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

厚生労働省が9月8日に公表した2026年4月分の人口動態統計月報(概数)によると、1~4月の出生数は20万6971人となり、前年同期比で1446人(0.7%)増加しました。一方、同期間の死亡数は53万2197人で、前年同期比5万3160人(9.1%)減少しました。これにより自然増減は32万5226人のマイナスとなり、人口減少自体は続いているものの、減少幅は前年同期から5万4606人縮小しました。減少幅縮小の主因は出生数の微増ではなく、死亡数の大きな減少によるものです。

本文
 厚生労働省が8日に発表した2026年4月分の人口動態統計月報(概数)により、今年1〜4月の日本における人口動態の現在地が明らかになりました。人口減少そのものは続いているものの、その「減り方」に足元で変化が出ていることが数字から確認されます。

■4月単月では出生数が3.2%増、死亡数は6.0%減

 まず最新データとなる4月単月の動きを見ると、出生数は5万6441人となり、前年同月の5万4686人から1755人(3.2%)増加しました。一方、4月の死亡数は12万731人で、前年同月の12万8369人から7638人(6.0%)減少しています。

 この結果、4月単月の自然増減は6万4290人のマイナス(前年同月は7万3683人のマイナス)となり、単月ベースでの自然減幅は9393人縮小しました。ただし、死亡数が出生数の約2.1倍に達する構造には変わりがなく、人口が増加に転じたことを示すデータではありません。

■1~4月累計で自然減幅が5.5万人縮小した内訳

 単月の動きだけでなく、1~4月累計のデータを見ると、出生数は20万6971人で、前年同期の20万5525人から1446人(0.7%)増加しました。月別の出生数は、1月が5万1874人、2月が4万7904人、3月が5万0752人、4月が5万6441人となっています。4カ月累計でのプラス転換ではあるものの、この短期間の概数データから長期的な少子化傾向が反転したと結論付けることはできません。

 この期間の人口動態における最大の変化は死亡数の動きです。1~4月の死亡数は53万2197人となり、前年同期の58万5357人から5万3160人(9.1%)減少しました。死亡数は出生数の約2.6倍の水準となります。

 前年同期と今年1~4月累計の自然増減を比較・分解すると、その構造がより明確になります。

2025年1~4月

出生数:20万5525人
死亡数:58万5357人
自然増減:37万9832人減少

2026年1~4月

出生数:20万6971人
死亡数:53万2197人
自然増減:32万5226人減少

 自然増減のマイナス幅は37万9832人から32万5226人へと、5万4606人縮小しました。この5万4606人の縮小幅の内訳を計算すると、「出生数の増加分(+1446人)」が占める割合はわずかであり、大部分は「死亡数の減少分(+5万3160人)」によるものであることが分かります。自然減の鈍化は、主として死亡数の減少によってもたらされています。

■直近1年間でも自然減の幅は縮小

 「当月を含む過去1年間」という同じ物差しで集計した数値を見ても、減少幅の縮小が確認できます。直近1年間の自然増減数は、2025年4月時点で95万4992人の減少でした。その後、2025年12月には91万8253人減、2026年1月には89万1726人減、2月には88万1569人減、3月には87万3040人減となり、今回の2026年4月時点(2025年5月~2026年4月の1年間)では86万3647人減へと推移しています。

 ただし、過去1年間の比較軸で減少ペースが鈍化しているとはいえ、直近1年間でも、出生数と死亡数の差による自然減が86万人を超えている状況に変わりはありません。

■婚姻件数は1.4%増、47都道府県すべてで自然減

 人口動態の関連指標である婚姻件数は、1~4月累計で15万9285組となり、前年同期の15万7140組から2145組(1.4%)増加しました。離婚件数は6万507組で、前年同期比2222組(3.5%)減少しています。ただし、この婚姻件数の増減と出生数の変動との間に直接的な因果関係を見出すことはできず、独立した推移として観測されるデータです。

 また、4月単月の地域別データを見ると、全国47都道府県のすべてで死亡数が出生数を上回る「自然減」となっています。東京都では出生7377人に対して死亡1万527人(3150人減)、大阪府では出生4556人に対して死亡8186人(3630人減)、愛知県では出生3746人に対して死亡6143人(2397人減)、沖縄県でも出生924人に対して死亡1084人(160人減)となっており、全国一律で人口の自然減少が進行しています。

 なお、今回の統計は「日本において発生した日本人に関する事象」を集計した月報の概数です。国外との出入国による社会増減や外国人の動向を含んだ日本の総人口の推移とは異なり、今後の修正を経て年報確定数へと更新される点に留意する必要があります。

 2026年1~4月の4カ月間で、日本人の出生数は約20.7万人、死亡数は約53.2万人となり、差引で32.5万人の自然減となりました。人口が自然減少するマクロな構造自体は継続しています。しかし、前年同期と比べた場合、死亡数の減少を主因として自然減のスピードには変化が生じています。この死亡数減や出生数の微増傾向が今後の月次推移でも継続するのか、次月以降のデータの積み上げが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)