Google、フィンランドに130億ユーロ投資 原発の運転延長支援へ「22年間」契約

2026年09月11日 14:57

画・洋上風力発電、1計画で原発1基分。法整備により2030年には9200億円市場に成長と予測。

風力発電設備のイメージ。Googleはフィンランドへの130億ユーロの投資計画で、ロヴィーサ原発の運転期間延長を支援する22年間の契約に加え、新たな陸上風力発電容量や94MWの蓄電池システムを組み合わせる計画を発表した(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

Googleは9日、フィンランドにおいて今後2年間に130億ユーロを投資すると発表しました。同社によると、欧州で過去最大の単独投資となります。本投資は検索やMaps、Geminiなどのサービス需要急増に対応するデジタルインフラ構築にとどまらず、クリーンエネルギー事業や地域経済パートナーシップを含む包括的な計画です。電力面では、同国ロヴィーサ原子力発電所の運転期間延長を支援する22年間の契約を締結したほか、新たな陸上風力発電や寒く風のない時期の価格安定を支援する94メガワット(MW)の蓄電池システム契約を組み合わせています。

本文
 米Googleは9日、フィンランドにおいて今後2年間で総額130億ユーロを投資するインフラ計画を発表しました。同社はこの計画について、欧州で過去最大の単独投資になるとしています。

 Googleは15年前、フィンランド南部のハミナにある製紙工場跡地をデータセンターへ転換して同国へ進出しました。今回の投資は、検索やGoogleマップ、生成AIサービス「Gemini」などの利用拡大に伴うデジタルインフラ需要に応えるものです。ただし、投資対象はデータセンター等の設備そのものにとどまらず、クリーンエネルギー事業や地元の経済パートナーシップ構築を含む計画となっています。

 今回の発表では、長期的な電力供給基盤への関与が示されました。Googleは、フィンランドの電力網を補強する取り組みの一環として、同国のロヴィーサ原子力発電所の運転期間延長を支援する22年間の契約を締結したと明らかにしました。同社は契約の具体的な購入電力量や金銭条件には触れていませんが、20年を超える時間軸で原子力の運転期間延長を支援する内容となっています。

 あわせて、エネルギー分野の取り組みは単一の電源に依存していません。Googleは新たな陸上風力発電容量を追加するほか、新たに94メガワット(MW)規模の蓄電池システム導入に関する契約も発表しました。同社は蓄電池の役割について、寒く風のない時期における価格安定を支援することを目的として挙げており、原発の運転延長支援、風力発電の追加、大型蓄電池の導入という複数の施策を並行して進める方針です。

 また、Googleが示した試算説明によると、2027年から2028年にかけた初期建設段階において、今回の計画はフィンランド全土で3万7000人超の雇用を支え、年間36億ユーロの国内総生産(GDP)寄与をもたらすとしています。施設が全面稼働に入った後も、エンジニアから警備、ケータリングに至るまで数千人規模の恒久的雇用を支えるとしています。

 地域社会への直接投資も盛り込まれました。同社はハミナ、カヤーニ、ムホス、ヴァーラの各地域に対し、今後4年間で計3100万ユーロを投じる計画です。地元の大学や教育機関と連携し、4400人以上の労働者を対象としたAIスキル向上プログラムを提供するほか、将来のデータセンター関連職を見据えて100人の学生を対象とした新たな研修機会を設けるとしています。

 生成AIをはじめとするデジタルサービスの普及に伴い、データセンターが使用する電力の確保は重要なテーマとなっています。今回Googleがフィンランドで示した130億ユーロの計画は、デジタルインフラとクリーンエネルギー、地域投資を一体的に進める内容となっています。今回の投資計画は、AIを含むデジタルサービスの需要拡大を支えるインフラ投資が、データセンターだけでなく長期的な電力基盤とも結び付いていることを示す事例となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)