フランス、宇宙SIGINT能力を2032年までに更新 Airbusなどに「CASSIOPÉE」発注

2026年09月12日 19:36

エアバス

宇宙配備型衛星のイメージ。フランスはAirbus Defence and Spaceなどに次世代SIGINTシステム「CASSIOPÉE」を発注し、2032年までに現行のCERES衛星群を引き継ぐ計画(画像:Airbusリリースより)

今回のニュースのポイント

フランス国防省傘下の装備総局(DGA)は、同国の宇宙配備型信号情報収集(SIGINT)能力を更新する「CASSIOPÉE(カシオペ)」契約を、Airbus Defence and Spaceおよび仏宇宙企業Unseenlabs(アンシーンラボ)に発注しました。Airbusが11日、パリで開催されたInternational Space Summitに合わせて公表しました。本契約はフランスの宇宙電磁能力プログラム「CELESTE」の中核となるもので、2032年までに現在運用中の「CERES」衛星群を引き継ぐ計画です。SIGINTはレーダーや通信機器からの電磁信号を収集・分析し、発信源を検知・特徴付け・追跡する情報収集手法です。今回の発表において契約金額や導入衛星数、具体的な打ち上げ時期、定量的性能値は明らかにされていません。

本文
 フランス国防省傘下の装備総局(DGA)は、同国の宇宙配備型信号情報収集(SIGINT)能力を次世代へ引き継ぐ「CASSIOPÉE」システム開発契約を、Airbus Defence and Spaceおよびフランスの宇宙企業Unseenlabsに発注しました。Airbusが11日、パリで開催されたInternational Space Summitに合わせて発表しました。

 本契約は、フランスの宇宙電磁能力プログラム「CELESTE」における中核的な情報システムと位置付けられています。新システムであるCASSIOPÉEは、フランスが現在運用している「CERES」衛星群を2032年までに引き継ぐ予定となっています。今回の発表では、具体的な契約金額や製造・運用される衛星の機数、詳細な打ち上げスケジュールなどは明かされていません。

 CASSIOPÉEが担う宇宙配備型SIGINT(Signal Intelligence)とは、主にレーダーや通信から発せられる電磁信号を宇宙空間から収集・分析するものです。収集した信号から発信源を検知(detection)、特徴付け(characterisation)、追跡(tracking)し、戦略的に重要な地域や作戦区域における情報分析に貢献します。

 産業面における役割分担として、主契約者を務めるAirbus Defence and Spaceはシステムインテグレーターとして地上セグメント、管制センター、および最新世代の「S250」プラットフォームをベースとする衛星ソリューション全体を担当します。S250プラットフォームは、直近では地球観測衛星コンステレーション「CO3D」に使用されています。一方、共同契約者であるUnseenlabsは、ミッション計画や地上・衛星上での処理に関する専門性を提供し、地上セグメントとペイロードの供給を担当します。

 現行のCERES衛星群からCASSIOPÉEへの移行について、Airbusは単純な同等機能への置き換えにとどまらず、現在のSIGINT能力を維持したうえで技術性能の向上とより高い即応性を実現するとしています。ただし、処理速度や探知範囲の改善幅といった具体的な定量的数値は示されていません。Airbusは、宇宙からの電磁信号収集能力を長期的に維持することが、状況評価や意思決定における国家の自律性、継続的な戦略監視、作戦支援に寄与するとしています。

 今回の計画は、新しい軍事衛星の単純な追加増強ではなく、フランスが保有する既存のCERES衛星群による宇宙SIGINT能力を2032年までに次世代システムへと更新する取り組みです。未公表となっている契約規模、導入機数、打ち上げ日程や具体的な運用体制が今後どのように提示されるかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)