中部電力、浜岡原発の廃炉報告14件を書き換え 約8億円分、経産相が報告徴収

2026年08月28日 12:24

今回のニュースのポイント

中部電力は8月27日、浜岡原子力発電所1、2号機(静岡県御前崎市)の2024年度の解体撤去工事をめぐり、使用済燃料再処理・廃炉推進機構(NuRO)への実施報告および費用請求において、請負会社から受け取った工事報告書の写しの解体物量や解体機器などを書き換え、実績と異なる数値などを報告していたと発表しました。2025年5月にNuROへ提出した費用請求の証拠書類において、少なくとも14件名の工事報告書の写しについて書き換え資料を提出していました。同社は会見で該当する工事に関連する費用を約8億円と説明しています。同日、経済産業大臣から法律に基づく報告徴収を受け、事実関係や類似事案の有無について9月25日までに報告するよう求められています。

本文
 中部電力は27日、浜岡原子力発電所1、2号機の廃止措置(廃炉)事業において、使用済燃料再処理・廃炉推進機構(NuRO)に対する実施報告および費用請求の手続きに不適切な事案があったと発表しました。請負会社から受領した工事報告書の写しを作成する際、記載された解体物量や解体機器などを書き換え、実際の工事実績とは異なる数値などを報告していました。

 問題が判明したのは、1、2号機で進めている2024年度の解体撤去工事です。同社は2024年4月末に年度の廃炉実施計画をNuROへ提出し、2025年3月末に請負会社から工事報告書を受領。同年4月11日に工事実績をNuROへ報告し、5月28日に費用請求に向けた証拠書類を提出しました。この費用請求書類を確認したところ、少なくとも14件名の工事報告書の写しについて書き換え資料が提出されていたことが分かったとしています。

 報道各社によると、同日に行われた同社の記者会見において、書き換えが確認された14件の工事に関連する費用は約8億円に上ると説明されたと報じられています。なお、不適切な報告に至った経緯について、関係者への社内聞き取りでは「2024年度の計画に合わせたかった」「計画通りの実績にしたかった」といった趣旨の説明が得られているとされていますが、同社はこれがすべての動機とは限らないとして、引き続き詳しい原因究明を進めています。

 この事案を受け、経済産業大臣は同日、原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律(再処理等拠出金法)第70条第1項に基づき、中部電力に対して報告徴収を行いました。事案の事実関係と経緯、原因と実効的な再発防止策に加え、「他の類似事案の有無」についても調査し、2026年9月25日までに報告するよう命じています。あわせてNuROからも、2024年度および2025年度の実績内容にかかる詳細な事実関係、原因究明、再発防止策について報告するよう指示が出されました。

 同社によると、2026年6月に2025年度分の費用請求資料をNuROへ提出した後、確認を受けたことから8月3日に過去資料の事実確認に着手し、17日に今回の事案を確認して社内調査を開始したとしています。

 浜岡1、2号機はすでに供用を終了しており、使用済燃料も貯蔵されていないことから、同社は今回の問題について「NuROへの実施報告・費用請求に関する文書作成上の問題であり、発電所の安全性に直接影響を及ぼすものではない」としています。一方、過去にも原子力部門で不適切事案が発生していることを踏まえ、同社は謝罪するとともに、外部の知見を入れた全容解明と組織的な再発防止に取り組む方針です。

 今回確認されたのは、工事の安全性そのものではなく、実績証明や費用請求のための文書を書き換えていた問題です。経済産業大臣は他の類似事案の有無まで報告を求め、NuROも2025年度の実績内容を含めた詳細な事実関係の確認を指示しています。9月25日の報告期限に向け、14件の書き換えが発生した動機・構造的な要因や関連費用の精査、組織的な調査結果が注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)