機械受注「7~9月4.9%増」へ残り2カ月が焦点 8・9月は平均約1兆1260億円必要

2026年09月16日 11:43

製造ライン

7月の機械受注は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」が前月比3.7%減。7~9月期の4.9%増見通しに対し、残る8・9月の受注動向が焦点となる(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

内閣府が9月16日に発表した2026年7月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需(コア受注)」は前月比3.7%減の1兆169億円となりました。一方で、内閣府の機械受注統計で示された6月末時点の7~9月期受注見通しは前期比4.9%増となっています。エコノミックニュースが4~6月期実績などを基に計算したところ、この見通しに達するには8・9月の2カ月間で合計約2兆2520億円、月平均で約1兆1260億円の受注が必要となる計算です。

本文
 内閣府が公表した7月分の機械受注統計調査報告では、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需(コア受注)」が季節調整値で1兆169億円となり、前月比3.7%減と2カ月ぶりのマイナスとなりました。

 ただ、7月実績だけで今後の設備投資動向を判断するには、機械受注の月ごとの振れにも留意する必要があります。機械受注は大型案件の計上タイミングなどによって月ごとの振れ幅が大きく、見通しと実績の差異を四半期単位のタイムスパンで確認していく必要があります。

■月ごとの大きな上下が続くコア受注

 コア機械受注の動きを四半期ごとに振り返ると、2026年1~3月期に前期比6.4%増と伸長した後、4~6月期は前期比0.2%増とほぼ横ばいの推移にとどまりました。

 月次の前月比推移を追うと、4月(8.7%増)、5月(12.4%減)、6月(9.7%増)、7月(3.7%減)と、月ごとにプラスとマイナスを大きく繰り返す展開が続いています。内閣府は、7月の減少について、6月に9.7%増加した後の単月の動きであることなどを踏まえ、基調判断を「持ち直しの動きがみられる」のまま据え置きました。

■見通し達成に必要な水準を試算

 注目されるのは、今後の伸びしろです。内閣府の機械受注統計で示された6月末時点の7~9月期受注見通しは前期比4.9%増となっています。見通し段階の内訳は、製造業が前期比4.0%増、船舶・電力を除く非製造業が5.9%増と、両部門ともに増加を見込んでいました。

 この4.9%増という見通しについて、4~6月期実績の3兆1162億円を基にエコノミックニュースが単純計算したところ、7~9月期に必要なコア受注額は約3兆2690億円となります。

 ここから公表された7月実績の1兆169億円を差し引くと、残る8月と9月の2カ月間で必要とされる受注額は合計約2兆2520億円、月平均では約1兆1260億円となります。これは7月実績(1兆169億円)と比較して、8・9月平均で約10.7%高い水準です。なお、本計算は機械受注の月ごとの変動性を踏まえた目安であり、見通しの達成可能性を評価するものではありません。

■企業の設備投資計画は11.0%増

 9月11日に発表された「法人企業景気予測調査」によると、2026年度の設備投資額は全産業・全規模で前年度比11.0%増(製造業12.7%増、非製造業10.2%増)が見込まれています。

 また、7~9月期の景況判断BSI(大企業・全産業)も前期比+5.3ポイントとなり、2四半期ぶりに「上昇」が「下降」を上回りました。製造業では生産用機械器具や情報通信機械器具などがプラスに寄与しています。

■業種別でみられる差と受注残高の水準

 7月のコア受注における製造業(前月比1.0%減)の業種別内訳をみると、電気機械(46.1%増)や情報通信機械(4.7%増)、自動車・同付属品(1.5%増)が伸ばした一方で、非鉄金属(82.2%減)や化学工業(12.0%減)が落ち込むなど、業種ごとに明暗が分かれました。

 また、機械受注全体の受注残高(季節調整値)は2022年以降ゆるやかな増加基調をたどっており、2026年には50兆円を超える高水準で推移しています。

 7月のコア受注は前月比マイナスからのスタートとなった一方、法人企業景気予測調査では2026年度の設備投資額が前年度を上回る計画となっています。7~9月期のコア受注が6月末時点の見通しに対してどのような結果となるか、8月・9月の受注動向が焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)