英国インフレ率3.1%に再上昇 企業の仕入れ価格は6.1%上昇、原油26.7%高

2026年09月17日 07:10

イギリス

英国国旗。英国の2026年8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.1%上昇し、7月の2.9%から上昇率が拡大。メーカーの投入価格も6.1%上昇した(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

英国国家統計局(ONS)が9月16日公表した2026年8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.1%上昇しました。前月7月の2.9%から0.2ポイント上昇率が拡大し、2カ月連続で伸びが加速しました。同日公表された生産者物価指数(PPI・暫定値)では、英国の製造業が購入する原材料・燃料などの投入価格が前年同月比6.1%上昇、工場出荷価格も3.7%上昇し、いずれも前月から拡大しました。ONSの分析によると、消費者物価側では自動車燃料を含む輸送費が上昇率拡大の主な上向き寄与となっている一方、コアインフレ率は横ばいを維持しています。

本文
 英国国家統計局(ONS)は2026年9月16日、8月の物価関連統計を公表しました。8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.1%上昇となり、7月の2.9%から0.2ポイント拡大しました。前年同月比の上昇率は6月の2.6%、7月の2.9%に続き2カ月連続で拡大しています。8月の前月比(単月)では0.5%上昇(前年同月の前月比は0.3%上昇)となりました。

 また、ONSが持ち家居住者の住宅費(OOH)などを含む最も包括的なインフレ指標と位置付けるCPIH(住宅費等を含む消費者物価指数)は前年同月比3.3%上昇となり、7月の3.1%から0.2ポイント上昇率が拡大しました。

 インフレ率拡大の背景について、ONSはCPIHおよびCPIの年間上昇率が7月から8月にかけて拡大した最大の押し上げ要因として「輸送」分野、特に自動車燃料価格の上昇を挙げています。CPIHベースの輸送価格は前年同月比で7月の3.6%から8月は4.6%へと伸びが拡大しました。輸送価格の前月比では1.5%上昇し、前年同月の0.4%上昇を上回る推移が観測されています。

 一方で、指数の内訳をみると価格動向にばらつきが確認されます。CPIHベースでは、モノの上昇率が7月の2.2%から8月は2.7%へ拡大した一方、サービス価格の上昇率は前年同月比3.6%で横ばい、食品やエネルギーなどを除いたコアCPIHも2.9%で横ばいでした。通常のCPIベースでは、モノが前年同月比2.7%、サービスが3.4%となり、コアインフレ率(コアCPI)は2.6%で前月と同水準を維持しています。総合指数の上昇率拡大に対し、コア指数やサービス価格の上昇幅は横ばいで推移する結果となっています。

 企業側の物価動向を示す生産者物価指数(PPI・暫定値)においても、前年比の上昇率拡大が確認されました。製造業の仕入れ価格に相当する投入価格(原材料・燃料等)は8月に前年同月比6.1%上昇し、7月改定値の5.8%から拡大しました。前月比でも0.3%上昇しています。また、工場の出荷価格(産出価格)は前年同月比3.7%上昇となり、7月改定値の3.3%から伸びが加速しました。出荷価格の前月比は0.7%上昇となっています。

 生産者物価の寄与度分析において、ONSは原油価格(前年同月比26.7%高)が投入価格の年間上昇率(6.1%)そのものに対する最大の上向き寄与となったと説明しています。一方、投入価格全体の上昇率が7月(5.8%)から8月(6.1%)へ拡大した際の最大の上向き寄与については、精製石油製品を含む「その他生産材料」(前月比2.1%高)による影響と示されています。出荷価格側でも精製石油製品が前月比8.6%上昇し、年間上昇率拡大に最も寄与しました。

 8月の英国では、CPIの前年同月比上昇率が3.1%、メーカー投入価格が6.1%、工場出荷価格が3.7%となり、いずれも7月から上昇率が拡大しました。一方、コアCPIは2.6%で横ばいでした。今後は、燃料価格の動向やサービス価格の推移、企業の投入コスト変化がどのような推移をたどるかが確認材料となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)