今回のニュースのポイント
富士通は9月16日、事業モデル「Fujitsu Uvance」をAI Transformation(AX)に対応する形へ進化させると発表しました。従来の社会課題軸のオファリング提供から、業種や企業固有の業務プロセス、現場の暗黙知などを「業種コンテキスト」として体系化し、AIが活用可能な知識資産へ変換する業種別AX提供体制へとシフトします。新たなデータ&AI基盤は2027年3月に提供開始予定です。AXを次の成長ドライバーと位置付け、2030年度にUvanceの売上収益1.7兆円以上、年平均成長率(CAGR)20%以上などの長期目標を掲げるとともに、成果連動型や利用量連動型への収益モデル転換を進めます。
本文
富士通は2026年9月16日、同社の主要事業モデルである「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」を、AIを活用した企業変革(AX:AI Transformation)に対応する方向へ進化させると発表しました。
今回の発表における財務面の焦点は、2030年度に向けた中長期の成長目標です。同社は2030年度において、Uvanceによる売上収益1.7兆円以上、年平均成長率(CAGR)20%以上とし、ITサービス事業にあたる「Service Solutions」の売上収益全体に占めるUvanceの比率50%超を目指す方針を示しました。これらは将来の事業方針に基づく到達目標であり、確定した業績予想や足元の実績ではありません。
Uvanceは2021年10月に始動し、これまでは社会課題の解決を軸としたオファリングや顧客・パートナーとの共創を中心に展開されてきました。今後は、社会課題軸のオファリング提供から「業種コンテキスト」を起点としたAX提供体制へシフトします。業種や企業ごとに異なる業務プロセス、データの関係性、判断基準、規制、専門知識、現場の暗黙知などを「コンテキスト」として体系化し、AIが活用可能な知識資産へと変換することを、新たなAX提供体制の中核に据えます。
この構想を支える技術基盤として、同社は企業固有の知識や経験を「コンテキスト」として蓄積・活用し、AIによる意思決定や業務実行を支援する新たな「データ&AI基盤」の開発を進めており、2027年3月に提供を開始する予定です。同基盤では自社の「Fujitsu Kozuchi」やエンタープライズ向け生成AI「Takane」、各種フロンティアAIモデルを組み合わせるほか、機密データや知的財産を保護するソブリンクラウドにも対応させる計画です。また、コンサルティング・FDE、アプリケーション・AIエージェント、プラットフォームの3層を一体で提供する体制を構築します。
さらに今回の戦略では、提供する商品内容にとどまらず収益モデルの転換に踏み込んだ点も特徴です。富士通は今後、成果連動型(outcome-based)や利用量連動型(usage-based)といった新たな収益モデルへの転換を進める方針を明らかにしました。売上規模の拡大に加え、収益基盤を強化する「質的な成長」を目指すとしています。
今後は、2027年3月に予定される新基盤の提供開始や業種別AXの展開、成果・利用量連動型への収益モデル転換が、売上規模の拡大と収益基盤の強化(質的成長)にどうつながるかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













