今回のニュースのポイント
IHIが2026年11月4日に発表した2027年3月期中間決算は、親会社の所有者に帰属する中間利益が前年同期比52.0%増の849億円となり、第2四半期として過去最高益を更新しました。民間航空機エンジンのスペアパーツ需要拡大に加え、426億円の不動産売却益が寄与し、営業利益は同65.6%増の1,149億円に達しました。通期の親会社帰属当期利益予想を1,850億円へ上方修正し、年間配当予想も25円へ増額しています。
本文
株式会社IHIは2026年11月4日、2027年3月期の中間連結決算(国際財務報告基準=IFRS)を公表しました。2026年4~9月期の売上収益は前年同期比9.2%増の7,793億1,800万円(会社説明資料の表示では7,793億円)、営業利益は同65.6%増の1,149億7,900万円(同1,149億円)となりました。税引前中間利益は同64.3%増の1,227億円、親会社の所有者に帰属する中間利益(純利益)は同52.0%増の849億9,400万円(同849億円)に達し、第2四半期として過去最高益を更新しています。民間航空機エンジンの需要拡大や不動産売却益が寄与しました。足元の業績を踏まえ、会社側は通期の親会社帰属当期利益予想を従来の1,720億円から1,850億円へと上方修正し、年間配当予想も1株当たり25円へ引き上げました。
業績の成長を力強く牽引したのは航空・宇宙・防衛セグメントです。同セグメントの売上収益は前年同期比22.3%増の3,348億円、営業利益は同32.0%増の722億円に達しました。受注高も同22.6%増の3,314億円と好調です。増益の主因となったのは民間航空機エンジン事業であり、同事業の売上収益は前年同期比28%増と大幅に拡大しました。世界的な航空需要を背景に、PW1100G-JMやV2500を中心としたスペアパーツ販売が好調で、MRO(整備・修理・オーバーホール)需要も堅調でした。民間エンジンの売上高構成比は、スペアパーツが63%、新製エンジンが30%、MROが7%を占めています。新製エンジンの販売台数増に加え、円安進行も利益を押し上げました。
営業利益が前年同期の694億円から1,149億円へと455億円増益となった背景には、不動産売却益426億円(前年同期は38億円)の計上があります。不動産売却益を除く営業利益は前年同期比67億円増の723億円となり、同利益率は前年同期の9.2%から9.3%となりました。また、為替影響や事業譲渡損益などを除いた「一時要因を除く営業利益」は同186億円増の707億円となり、実力ベースの利益率も7.3%から9.1%へと改善しました。航空エンジンを中心とする実力値の収益力向上と、成長投資に向けた不動産売却益が合わさった決算構造となっています。
他セグメントにおいては、事業ごとに収益動向の差が見られました。資源・エネルギー・環境は、ライフサイクルビジネスの拡大で営業利益7億円(前年同期は1億円の損失)と黒字化しましたが、大型案件の反動で受注高は前年同期比45.4%減の1,780億円でした。社会基盤は事業譲渡の影響などから売上収益が同33.6%減の393億円、営業損失44億円(前年同期は33億円の損失)でした。産業システム・汎用機械は営業利益が同33.0%減の114億円となりました。全社受注高は資源・エネルギーの反動減が響き同12.8%減の7,787億円となりましたが、航空・宇宙・防衛の受注が22.6%増と伸長し、全体の受注基盤を下支えしています。
通期の連結業績予想については、民間エンジンの好調や円安進行などを反映し、8月に続いて再度の上方修正を行いました。売上収益は従来予想比400億円増の1兆8,800億円(前期比14.4%増)、営業利益は同200億円増の2,700億円(同63.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は同130億円増の1,850億円(同14.9%増)を見込んでいます。通期営業利益2,700億円には通期の不動産売却益930億円が含まれており、不動産売却益を除く営業利益予想も従来計画から200億円引き上げて1,770億円(営業利益率9.4%)に設定されました。下期の前提為替レートは1米ドル=150円としています。
株主還元策では、期末配当予想を従来の11.5円から2円増額して13.5円に修正し、確定した中間配当11.5円と合わせた年間配当予想を25円(前回予想23円)へと引き上げています。同社は2025年10月1日付で1株につき7株の株式分割を実施しており、分割後換算した前期実績の年間20円(中間10円、期末10円)と比較して実質5円の増配水準となります。一方、財務面では棚卸資産や運転資本の増加により、営業活動によるキャッシュ・フローは650億円の支出超過となり、前年同期の571億円の支出超過から超過額が拡大しました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













