今回のニュースのポイント
ロームが2026年11月5日に発表した2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比14.4%増の2,794億8,300万円、営業利益が同128.5%増の174億8,700万円と大幅増収増益でした。生成AI普及に伴うデータセンター需要や減価償却費の減少が寄与し、LSI事業が増益を牽引しました。半導体素子事業は赤字縮小も43億円の損失が継続。通期営業利益予想は500億円へ200億円上方修正し、年間配当予想50円は据え置きました。
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ローム株式会社は2026年11月5日、2027年3月期中間連結決算を発表するとともに、通期連結業績予想の上方修正を公表しました。当中間期の売上高は前年同期比14.4%増の2,794億8,300万円となり、本業の儲けを示す営業利益は前年同期の76億5,300万円から約2.3倍(同128.5%増)となる174億8,700万円へと拡大しました。経常利益は同25.9%増の168億9,200万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同51.0%増の155億8,000万円でした。同社は中間期の進捗を受け、通期の連結営業利益予想を従来の300億円から500億円へと200億円引き上げました。生成AI関連需要の拡大や減価償却費の減少が増益を牽引した一方、半導体素子事業では赤字が継続するなど、分野ごとの対比が鮮明な決算となりました。
中間期の営業増益を後押しした背景には、市場環境の好転に伴う増収効果と費用構造の改善があります。市場別では、生成AIの急速な普及に伴うデータセンター関連投資の拡大を背景に、サーバー・ストレージ向けの半導体需要が高水準に推移しました。さらに、産業機器市場ではFA向け需要が回復したほか、自動車市場でもxEV向けを中心とする電動化・電装化の進展が底堅い需要をもたらしました。利益面では、売上高の増加に加え、前期に実施した設備減損処理に伴って減価償却費が大幅に減少したことが営業利益の急増に寄与しました。なお、全社のEBITDAは前年同期比4.2%増の362億4,700万円にとどまっており、減価償却費の圧縮が増益幅を広げた構図を示しています。
事業セグメント別の動向をみますと、中核のLSI事業が業績拡大を牽引しました。LSI事業の売上高は前年同期比12.8%増の1,288億300万円、セグメント利益は同35.5%増の175億5,600万円へと伸長しました。市場別では、自動車市場向けでボディ関連製品や車載インフォテインメント向け製品が好調だったほか、産業機器向けでも需要回復を捉えて堅調に推移しました。とりわけコンピュータ&ストレージ市場向けでは、サーバー向け製品の販売が大幅に増加し、収益性の向上に大きく貢献しました。家電向けなどの民生機器市場では調整局面が続いたものの、車載やサーバー向けの伸びがこれを補い、同事業の高い利益成長が全社業績を押し上げました。
これに対し、パワーデバイスなどを手掛ける半導体素子事業では、収益改善が進みつつも赤字が継続しました。当中間期の売上高は前年同期比20.7%増の1,207億2,000万円となり、セグメント損益は前年同期の98億900万円の損失から43億9,300万円の損失へと赤字幅が54億1,600万円縮小しました。主力のSiCパワーデバイスはxEV向けやサーバー向けが堅調で、Siパワーデバイスもサーバー向けが急伸したほか、汎用デバイスやLEDも産業機器向けを中心に持ち直しました。一方、売上高が増加し赤字幅も縮小したものの、同事業のセグメント損益は引き続き赤字となりました。なお、43億9,300万円の損失は同事業全体の実績であり、SiC事業単独の損益を示すものではありません。
中間期までの進捗を踏まえ、同社は2026年11月5日に通期連結業績予想を上方修正しました。通期の売上高予想は、従来予想の5,100億円から5,500億円(前期比14.3%増)へと400億円引き上げました。営業利益予想は従来の300億円から500億円(修正率66.7%増、前期比360.2%増)へと200億円増額しました。経常利益予想も360億円から530億円へ170億円引き上げ、親会社株主に帰属する当期純利益予想は290億円から450億円へ160億円上方修正しました。前期の親会社株主に帰属する当期純損益は1,584億2,400万円の赤字でしたが、今期は450億円の黒字を見込んでいます。生成AI需要の高水準な推移や、価格適正化およびコスト削減の進展が通期予想引き上げの主因です。
同社は中長期的な成長に向けて、生産拠点再編や事業ポートフォリオ適正化、SiC事業の収益化といった構造改革を推進しています。株主還元につきましては、2026年11月5日開催の取締役会において中間配当を1株当たり25円とすることを決議しました。期末配当予想の25円と合わせた年間配当予想は50円(前期実績と同額)で据え置いています。なお、個別決算で計上された子会社からの受取配当金1,163億7,400万円や貸倒引当金戻入額712億300万円は、連結決算で消去されるため連結業績への影響はありません。通期業績予想では、下期の為替レートを1米ドル=153円と想定しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













