EUでは2026年第2四半期、純発電量に占める再生可能エネルギーの割合が54.1%となった。再エネ発電の内部では太陽光が41.6%を占めて最大となり、前年同期の37.0%から4.6ポイント上昇した。(画像は資料写真)
今回のニュースのポイント
EU統計局(Eurostat)が9月18日に発表した2026年第2四半期(4~6月)の電力統計によると、EUの純発電量に占める再生可能エネルギーの割合は54.1%となりました。全体で過半を維持したものの、前年同期の54.3%からは0.2ポイント低下しました。一方、再エネ発電の内訳では太陽光が41.6%を占めて最大の電源となり、前年同期(37.0%)から比重を高めました。最高97.7%から最低19.8%まで加盟国間の格差も大きく、数字の前提や内訳を正確に読み解く必要があります。
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EU統計局(Eurostat)は9月18日、2026年第2四半期(4~6月)の域内電力生産に関するデータを公表しました。同期間中にEU域内で実際に発電された総純発電量(net electricity generation)に占める再生可能エネルギーの割合は54.1%となりました。
純発電量の半分以上を再エネが占める高い水準となったものの、前年同期の54.3%と比較すると0.2ポイント下回る結果となりました。ただし、この単一四半期の数値だけをもって「EUの再エネ化全体が後退した」あるいは「過去1年間で一層加速した」と単純に結論付けることはできません。
再エネによる発電量の内部構成(シェア)を見ると、電源ごとの比重の変化が確認できます。2026年4~6月における再エネ発電量の内訳は、太陽光が41.6%で最も大きく、次いで風力が27.7%、水力が22.6%、可燃性再エネ燃料が7.7%、地熱・その他が0.4%となりました。
前年同期における太陽光のシェアは37.0%であったため、1年間で4.6ポイント拡大したことになります。ここで重要な点は、41.6%という数字は「EUの全純発電量に占める太陽光の割合」ではなく、「再エネによって発電された電力の中に占める太陽光の割合」であるということです。全体の発電構造と再エネ内部の構成比を混同しない正確な視点が求められます。
また、第1四半期(1~3月)と比較すると、再エネ比率や電源別の構成には大きな違いがみられます。2026年第1四半期の純発電量に占める再エネ比率は45.5%で、第2四半期(54.1%)を下回る水準でした。さらに第1四半期の再エネ内部では風力が44.9%で最大シェアを占め、太陽光は17.3%にとどまっていましたが、第2四半期に入ると太陽光が41.6%まで拡大し、風力を上回りました。
ただし、こうした四半期値には季節や気象条件による発電量の変動も含まれるため、第1四半期から第2四半期への変化だけをもって「短期間で再エネ導入が急速に進んだ」と捉えることはできません。
さらに、EU平均値の「54.1%」の影で加盟国ごとの極めて大きな構造差が存在します。第2四半期に純発電量に占める再エネ比率が最も高かったのはラトビアの97.7%で、デンマーク(94.3%)、クロアチア(92.2%)がこれに続きました。一方で、最も低かったのはスロバキアの19.8%であり、チェコ(20.9%)、マルタ(24.5%)も低い水準にとどまりました。
最高値と最低値の間には約78ポイントもの開きが存在しており、EUという域内括りであっても、純発電量に占める再エネの割合は加盟国によって大きく異なっています。
今回の数値の扱いにおいてもう一つ重要なのが、政策目標との定義の違いです。Eurostatは、今回の四半期毎の純発電量統計と、EUの「再生可能エネルギー指令(RED)」に基づく進捗管理統計とでは計算方法が異なる旨を明記しています。今回の54.1%は「純発電量」を分母とする比率であるのに対し、REDで用いられる進捗指標は「総電力消費量」を分母とし、水力や風力における気象変動の影響を平準化する調整などが施されます。したがって、今回の54.1%をそのままEU政策目標に対する達成率として解釈することはできません。
2026年4~6月のEU電力市場では、純発電量の半分を超える54.1%を再生可能エネルギーが占めました。しかし、前年同期比でのわずかな変化、19.8%から97.7%に至る加盟国間の大きな格差、季節要因による電源構成の変動、そして計算定義の違いなど、統計の前提を多角的に把握することで、EUの再エネ発電をめぐる構造をより正確に捉えることができます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













