工場の「廃熱」を電力に Kanin Energy、北米展開へ最大1億ドル調達

2026年09月17日 14:21

工業プラントイメージ

産業施設で発生する廃熱を回収し、電力に変換する設備を表したイメージ。Kanin Energyは最大1億米ドルの新規株式資金を調達し、北米でWHPなどのオンサイト発電事業を拡大する(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

カナダのクリーンテクノロジー企業Kanin Energyは9月16日、北米で産業廃熱を電力に変換する「Waste Heat to Power(WHP)」事業などを拡大するため、最大1億米ドルの新規株式資金を調達したと発表しました。米投資会社のS2G Investmentsと、カナダ政府が設けた150億カナダドル規模の投資ファンドCanada Growth Fund(CGF)がそれぞれ最大5000万米ドルをコミットします。同社は現在約50MWの建設・稼働中ポートフォリオを有しており、調達資金を基に北米でのプロジェクト展開を加速させます。

本文
 カナダに拠点を置くエネルギーソリューション企業のKanin Energyは2026年9月16日、北米の重工業施設向けに展開する産業廃熱発電事業などを拡大するため、最大1億米ドル(約1億3800万カナダドル)の新規株式資金を調達したと発表しました。

 今回の資金調達は最大1億米ドルの新規株式資金で、出資主体である持続可能投資を手掛ける米S2G Investmentsと、カナダ政府が設けた150億カナダドル規模の投資ファンドであるCanada Growth Fund(CGF)の2社が、それぞれ最大5000万米ドルをコミットします。確保された最大1億米ドルの資金は、カナダおよび米国における分散型発電プロジェクトの開発、建設、運営の規模拡大に投入されます。

 同社が主力とする「Waste Heat to Power(WHP)」は、重工業の製造工程等で生じ、従来は未利用のまま大気中へ放出されていた廃熱を回収し、電力へ変換する仕組みです。同社の発表資料では、産業プロセスで消費されるエネルギーの最大58%が廃熱として失われているとしています。同社は、40年以上の導入実績を持つ有機ランキンサイクル(ORC)タービンを中心にシステムを構成し、追加の燃料消費や新たな排出を生じさせることなく現場で電力を創出する仕組みを提供します。対象産業として、石油・天然ガス、セメント、鉄鋼、金属・鉱物などの重工業分野が挙げられています。

 事業モデルにおいては、同社側が資金調達から設備の開発、建設、運営までを一括して担い、産業事業者に電力を提供する「Energy-as-a-Service(サービスとしてのエネルギー)」型を採用しています。単なる発電装置の販売とは異なり、同社が設備投資や運用を主導して市場価格を下回る価格帯で電力を供給することで、重工業施設側が自ら発電資産の開発・建設・運営を担わずに利用できる事業モデルとなっています。

 同社によると、建設中および稼働中を含めたWHPの商用ポートフォリオは現在約50メガワット(MW)に達しています。すでにオハイオ州のデイトン大学向けにWHPによる電力供給を行っているほか、コロラド州ウェルド郡では「Mewbourn WHP Power Project」の開発・建設を進めるなど具体的な実績を重ねています。

 Kanin Energyは今回確保した最大1億米ドルの株式資金を基に、カナダと米国の重工業を対象として、産業廃熱を電力へ変換するWHPをはじめとするオンサイト発電設備の開発、建設、運営を拡大していくことになります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)