ローヤルゼリーが老化細胞の炎症関連因子に作用 IL-6遺伝子発現を抑制

2026年09月19日 18:02

画・2015年、平均寿命、男性80.8年、女性87.0年

山田養蜂場は、老化したヒト表皮角化細胞を用いた試験で、ローヤルゼリーの添加により炎症関連因子IL-6の遺伝子発現が有意に低下したことを確認した。細胞を用いた研究段階であり、ヒトでの効果を示したものではない。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

株式会社山田養蜂場の健康科学研究所および美容科学研究所は、老化したヒト表皮角化細胞にローヤルゼリーを添加したところ、老化細胞から分泌され、周囲の細胞を老化させる炎症性物質(SASP因子)が抑制されたとする研究成果を発表しました。長期培養により作製した複製老化モデルに加え、自然に老化した56歳および75歳の人に由来するヒト表皮角化細胞においてもSASP因子のひとつであるIL-6の遺伝子発現低下を確認しました。研究成果は査読付き科学誌『Molecular Biology Reports』に2026年7月27日付で掲載されています。

本文
 株式会社山田養蜂場の自社研究機関である山田養蜂場健康科学研究所および山田養蜂場グループ美容科学研究所は、ローヤルゼリーに関する最新の研究成果を公表しました。本研究は、老化したヒト表皮角化細胞にローヤルゼリーを添加することで、老化細胞から分泌され、周囲の細胞を老化させる「SASP因子」が抑制されることを確認したものです。本研究論文は、国際的な科学雑誌『Molecular Biology Reports』に2026年7月27日付で掲載されました。

 研究の背景として着目されたのが「老化関連分泌表現型(SASP)」と呼ばれる現象です。SASP因子は、老化細胞から分泌される炎症性物質で、周囲の正常な細胞に悪影響を与え、老化を加速させることが報告されています。こうした老化細胞に対するアプローチとして、老化細胞そのものを除去する「セノリティクス」とは異なり、老化細胞からのSASP因子の分泌や発現を抑える「セノモルフィック」という考え方が近年研究されています。本研究では、ローヤルゼリーが表皮由来の老化細胞に対してセノモルフィックな作用を示すかを細胞レベルで検証しました。

 実験において研究チームはまず、若齢者由来のヒト表皮角化細胞を長期間培養し、人工的に加齢状態を再現した「複製老化モデル」を作製しました。このモデル細胞において、老化した細胞に特徴的なタンパク質の発現変化と、SASP因子の遺伝子発現を解析し、老化細胞としての特徴が形成されていることを確認しました。

 次に、この複製老化モデルにローヤルゼリーを添加し、24時間後におけるIL-6の遺伝子発現量を解析しました。その結果、ローヤルゼリーを添加した老化細胞群では、老化細胞群と比較してIL-6の遺伝子発現量が統計的に有意に低下(p<0.05)しました。

 さらに研究チームは、人工的な複製老化モデルだけでなく、自然に老化した56歳と75歳の人に由来するヒト表皮角化細胞を用いた検証も実施しました。それぞれの細胞にローヤルゼリーを添加して24時間後に測定したところ、75歳由来細胞(p<0.001)および56歳由来細胞(p<0.05)の双方において、IL-6の遺伝子発現量が抑制される結果が得られました。ローヤルゼリーは、人工的な加齢モデルにとどまらず、中高齢者に由来する細胞においてもSASP因子の分泌を抑制するセノモルフィック効果があることが明らかになりました。

 本試験はあくまでヒト表皮角化細胞を対象としたイン・ビトロ(体外)試験であり、人間がローヤルゼリーを摂取したり皮膚に塗布したりした場合の効果を検証した臨床試験ではありません。同社は今後も、ローヤルゼリーの作用メカニズムの解明を進めるとしています。

 老化研究において、SASP因子を制御するセノモルフィックのアプローチからローヤルゼリーの作用を調べたデータが示されました。細胞レベルで確認されたIL-6の遺伝子発現抑制という結果が、今後どのようなメカニズムで生じているのかの解明や、生体内での再現性の検証が研究上の確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)