製造工場の生産ライン。カナダ統計局によると、2026年7月の製造業売上高は前月比0.4%減の787億カナダドルとなった一方、在庫は1275億カナダドル、受注残は1346億カナダドルと、ともに過去最高を記録した。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
カナダ統計局が9月14日に発表した7月の製造業統計によると、製造業売上高は季節調整済みで前月比0.4%減の787億カナダドルとなり、5カ月連続で増加した後に減少へ転じました。一方、前年同月比では10.9%増となっています。足元の売上高が減少する一方で、製造業の在庫(1275億カナダドル)と受注残(1346億カナダドル)はそろって過去最高を記録しました。受注残は6カ月連続の増加となっており、単月売上高の低下と将来に向けた注文ストックの積み上がりが同時に提示されています。
本文
カナダ統計局は2026年9月14日、2026年7月分の製造業統計を発表しました。製造業全体の売上高は季節調整済みで前月比0.4%減の787億カナダドルとなり、5カ月連続続いていた前月比での増加傾向の後に減少を示しました。ただし、前年同月比では10.9%増の水準を維持しています。
全21業種中、8業種で売上高が減少しました。特に化学製品が前月比6.6%減、食品が1.4%減となったことが全体を押し下げました。一方、石油・石炭製品は1.9%増となり、全体の減少幅を一部相殺しています。物価変動の影響を除いた実質売上高は前月比1.4%減となっており、同月に工業製品価格指数が0.6%上昇したことを背景に、名目と実質の間で乖離が生じました。例えば、石油・石炭製品は名目売上高が1.9%増(104億カナダドル)であったのに対し、実質売上高は4.1%減となっており、名目の増加には価格上昇が寄与したと統計局は説明しています。
足元の単月売上高(フロー)が減少を示す一方、在庫と受注残というストック(残高)は拡大しています。7月の製造業在庫は前月比0.3%増の1275億カナダドルとなり、過去最高を更新しました。在庫は2026年1月以降増加傾向が続いており、内訳では原材料(0.7%増)、仕掛品(0.1%増)、完成品(0.1%増)のいずれも増加し、特にコンピューター・電子製品(2.9%増)が全体の押し上げに最も寄与しました。
また、キャンセルがなければ将来の売上高につながる注文ストックである受注残高は、前月比1.9%増の1346億カナダドルとなり、6カ月連続で増加して再び過去最高を記録しました。加工金属製品(4.6%増)、機械(3.0%増)、航空宇宙製品・部品(0.7%増)などが牽引しています。なお、製造業全体の設備稼働率は季節調整前で6月の82.2%から7月は80.7%へ低下しており、輸送機器(5.9ポイント低下)や木製品(7.3ポイント低下)などで低下がみられました。
7月のカナダ製造業は、実質ベースでの売上高減少や稼働率低下が確認される一方で、在庫および受注残高がともに最高水準に達するなど、短期的動向と注文・在庫のストックの間で複雑な推移を示しています。これらの積み上がった受注残が今後どの程度実際の生産や売上高に結びつくかが焦点となります。カナダ統計局は9月24日に8月分の製造業売上高の事前推計値を、10月15日に8月分の製造業統計を発表する予定です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













